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スキー王国「厳冬期」 アルペンの発祥地・オーストリア

スキー王国「厳冬期」 アルペンの発祥地・オーストリア

以下は、2011年01月07日に朝日新聞朝刊に掲載された記事です。

アルペン王国のオーストリアでもスキー離れが進んでいるという内容です。

裾野が狭くなったことにより、才能の発掘が進まず、近年のアルペン競技の不振につながっている可能性も指摘されています。


 アルペンスキー発祥の地と言われるオーストリアが、若者のスキー離れに悩んでいる。かつては全員参加だった学校のスキー教室が、親たちの反対などで自由参加になり、スキーを一度も滑ったことがない子供が急増。国内のスキー産業や世界トップレベルの競技にも陰りが見え始め、国を挙げての対策に乗り出した。(ウィーン=玉川透)

 ●「古い」「寒い」…若者敬遠
 ウィーンの下町にある16~17歳の約360人が通う公立学校では約50年前から、毎年1月下旬にオーストリア中部のスキー場で行う1週間のスキー合宿が恒例行事となっている。ところが、今シーズンは参加人数が思うように伸びず、不参加は全校生徒の約4割に達した。参加者の中でもスキーは初めてという生徒が3分の1以上にのぼる。
 引率するミヒャエル・アシュペアガ先生(38)は「今の子供たちのスキーに対する印象は、『古くさい』『退屈』『寒い』かつてアルペンスキーの選手といえば、だれもが憧れたのに」と嘆く。
 300以上の多彩なスキー場に恵まれたオーストリアは1950年代に、すべての小中学校や高校に年1回、1週間程度のスキー合宿を課外授業として義務づけた。伝統のスキー教程でプロの指導員から手ほどきを受けるため、スキーが滑れない子供はほぼ皆無に。スキーが「国民のスポーツ」と言われたゆえんだ。
 だが、教育方針が多様化した90年代半ば、親や子供からの不満を受けて多くの学校がスキー合宿を自主参加に切り替えた。少子化の影響もあって合宿に参加する子供は95年時点の約25万人から、今では約13万人に激減した。

 ●親に負担感、政府補助
 スキーが敬遠された理由の一つに経済的負担がある。燃料費の高騰などでリフト代がかさみ、1週間の合宿費は最低400ユーロ(約4万4千円)程度。同国の平均月収は税込みで約1880ユーロ(約21万円)と他の中・東欧諸国に比べれば高めだが、経済危機で財布のひもが固くなりがちな家庭には重くのしかかる。
 また、トルコや旧ユーゴスラビアからの移民が増えており、地域によっては4割以上を移民の子供たちで占める学校もある。もともとスキーになじみが薄く、低所得者層が多いため、学校が呼びかけても参加しないのが現状だ。
 最近では、事故の危険がつきまとう冬の合宿をやめ、夏山でハイキングやキャンプを楽しむ夏合宿に切り替える学校も増えているという。
 冬季スポーツ関連産業の業界団体のフランツ・シェンナーさん(61)は「今の親の多くが子供の頃にスキーをしなかったため、自分の子供にも必要性を感じない。まさにロストジェネレーションだ」と話す。
 政府やスキー業界は今シーズンから、子供たちをゲレンデに呼び戻すための様々な取り組みを始めた。
 昨年10月、スキー合宿に生徒を引率する教師らの相談を受け付ける事務所をウィーンに開設。希望する教師を2日間、無料で各地のゲレンデに招待し、コースを体験してもらう。各学校にスキーの魅力やゲレンデでのマナーを収録したDVDも配布し、イメージアップを図るという。
 また、親の負担を軽くするため、スポーツ省や各自治体が合宿費用を補助する制度も設けた。ウィーン市内の学校の場合、最高180ユーロ(約2万円)まで支援する。
 背景には、主力産業であるスキー関連市場が落ち込むことへの危機感がある。国内にはフィッシャーやアトミックなど日本でもおなじみのブランドが数多くあり、国民の15人に1人がスキーなど冬のスポーツに関係した仕事に就いている。昨シーズンは関連産業全体で約74億ユーロ(約8100億円)の利益を生んだと推計されている。
 だが、オーストリアで販売されたスキー板の数は00年の57万組から、09年は35万組に。一部はスノーボードに流れたとみられるが、それを大きく上回る落ち込みだ。スキーウエアなどの国内需要も伸び悩み、業界内には「このままではじり貧になる」との不安が渦巻く。

 ●不調にあえぐ競技界
 世界トップレベルを誇るオーストリアのアルペン競技界もこのところ元気がない
 同国はこれまで、冬季五輪のアルペンスキー競技で史上最多の105個のメダル(金31)を獲得。2位のスイスの56個、3位のフランスの43個に大差をつけている。
 しかし、昨年のバンクーバー五輪では失速し、メダルは女子の4個だけ。五輪史上初の三冠王トニー・ザイラーら数々の名選手を生んだ男子アルペンスキーは不調で、メダルに届かなかった。
 その後も「冬の時代」が続いたが、昨年11月のW杯男子滑降で同国出身のワルヒホファー選手が優勝。地元各紙は「我々は屈辱の日々から脱した」と書き立てた。
 同国スキー連盟は、不振が続いた理由について「けが人が多く不運が続いただけ。代表チームは今も世界最高レベルを保っている」と強調するが、若者のスキー離れが影響を及ぼし始めていると見る関係者も少なくない。

 ◆キーワード
 <アルペンスキー> 斜面の滑降に特化して発達したスタイルで、ノルディックスキーと区別される。競技種目には速さを競う滑降、回転、スーパー大回転などがある。1920年代、「オーストリア・スキーの父」と呼ばれるハンネス・シュナイダーが独自に技術を体系化したのが始まりとされる。「国民のスポーツ」として親しまれ、56年の冬季五輪でアルペン史上初の3種目制覇を遂げたトニー・ザイラー、98年の長野五輪で2冠のヘルマン・マイヤーら多くの名選手を生んだ。
 同国のスキーは日本との関わりが深く、1911年1月12日にオーストリア軍のレルヒ少佐が、新潟県高田町(現・上越市)で日本陸軍兵士らに当時のスキー技術を指導したのが日本のスキーの始まりとされる。


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 【写真説明】
オーストリアの子供たちが参加したスキー合宿の風景(2004年)=マーティン・モレチュ氏提供
オーストリアの軍人レルヒ少佐からスキーを学ぶ日本軍人ら=ウィーン軍事史博物館提供



Jリーグの組織化と日本代表人気に後押しされて、子供たちのサッカー人口が増え、この結果、近年の若手選手のレベルアップと国際的活躍につながっている状況を見ると、裾野の拡大はきわめて大事だと感じます。

結局は、トップレベルはスポーツ競技間のタレントの奪い合いだと思いますので、そのベースとなる母集団は大きければ大きいほど良いですね。

そのために必要なのは、①スキー教室からアルペン競技への有機的連携、②費用、手間の低減、③スキーのイメージアップだと考えます。

①に関して言えば、小学校低学年を対象としたスキー教室やスクールからスタートし、レベルアップと共にアルペン競技につながっていく一連の育成システムが必要だと思います。

小さいうちは、できるだけ垣根を低くして、スキーの楽しさを十分経験してもらうことが目的となります。

そのためには保護者の負担を減らすことも必要で、②のレンタル費用や交通手段などに関して工夫が求められます。

楽しく滑る中で、本人の希望や適性を見極めて、アルペンに進んで行けるような道筋があると良いですね。

現在は、スキー教室はスキー教室、アルペンを始める子は最初からアルペンチームに所属すると言う形が多く、両者には垣根が存在するように思います。

スキー場のスクール(スキークラブ)は、大人のバッジ検定ばかりでなく、子供のスキー教室やレーシング教室にもっと力を入れるべきだと思います。

最近は、NASPAや野沢などが、その方向に進んでいると思います。

ネトロンで良いので、スクールレッスンの中に規制滑走を取り入れていくことで、楽しみながらレーシングへつながっていくのではないでしょうか?

この意味でも、基礎スキーとレーシングの連携が絶対に必要になります。

競技部と教育部は、日本のスキー界の将来のために協力するべきだと思います。

③のイメージ戦略については、一番難しそうです。

真央ちゃんや遼君や斎藤佑樹君、福原愛ちゃんのような若手のスーパースターがアルペン界にも出現すれば俄然活性化する思います。

メディアが取り上げるようになれば、効果は絶大です。

そのためには、若くして飛び抜けた実力があり、ある程度の容姿とトーク力が必要になるので、実際には、なかなかね。

マンガ、ドラマ、映画(ワタスキ第2弾)、CM(JRやアルペン)でしたら、フィクションで済みます。

私の子供の頃は、スポーツ根性マンガ・ドラマが全盛期で、みんな「巨人の星」を見て野球を始めたり、森田健作のドラマを見て剣道をやったりしてました。桜木健一で柔道、「アタックナンバーワン」や「サインはV」でバレーボールも。

「山ガール」のようにファッションからブームになることもあるかもしれません。

まあ、これらはいずれも切っ掛けであって、それをレベルアップに結びつけるためには地道な努力が必要になるわけですが。

その切っ掛けすら今はない状況なので・・。何とか知恵を出し合って。


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プロフィール

ジュニアスキー

Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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