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「美味しんぼ」論争 科学者からの反論

「美味しんぼ」論争 科学者からの反論

今更ですが、正確な記述だと思ったので引用させて頂きます。

こういう正しい論に対して、朝日新聞などは、正面から反論せず(できず?)、例えば「主婦の不安」を武器に対抗してきました。(笑)

「科学者はそんなこと言ってるけど、身の周りでは、おかしなことがたくさん起こっているじゃない」、と。

この新聞は、客観性の仮面をかぶりながら、印象操作を多用するところがあります。(ステマ的テクニックです)

登場人物に(主観的に、かわいそうな形で)語らせたりとかね。

 *「私たちが言ってるんじゃないよ、みんなが言ってるんだよ」という体裁で自分の意見を押し付ける。

 *自身の主張を誰かに代弁させて「私は何も言ってませんよ」的な逃げ道を確保しつつ印象操作しようとするやり方。

私なんか「またやってるよ、よく飽きずにやるなー」と思うのですが、そういう感情に訴える記事が好きな人も多いのかもしれません。

客観(過去の調査結果、基準、広範囲、多いサンプル、統計・・)に対して、主観(印象、身の回り、少ないサンプル、子供中心バイアス、陰謀論・・)で立ち向かっているわけで、話がかみ合うわけもなく、結論にたどり着くことなど永遠にできるわけもありません。

一方で、事故後3年ぐらいでがんが激増し、30年間で5千万人ががん死するとか、事故後から断言してきたわけですから、もうそろそろ被曝の影響が出てこないとおかしいんじゃないかと言うことで、少ないデータ数の調査から何十%増加とか、鼻血が周囲で多くなったとか、言っているみたいです。

でも、もう少し統計とか有意差とか勉強してからモノを言った方が良いんじゃないかと思います。

ほとんどの事例が理解不足か、科学的な経験不足でニセ科学を見分けられず、迷走しているものと思います。

次の文章をしっかり読むべきですね。


『Voice』 2014年7月号

高田純(札幌医科大学教授・理学博士)

無責任な差別表現

 未曾有の地震津波に襲われた被災地が復興に向けて歩むなか、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)掲載、雁屋哲氏原作のマンガ「美味しんぼ」が福島県民をいじめています。4月28日発売号では、現地を訪れた主人公の山岡士郎が突然、鼻血を流し、井戸川克隆元双葉町長が「私も鼻血が出ます。今度の立候補をとりやめたのは疲労感が耐え難いまでになったからです。福島では、同じ症状の人が大勢いますよ」と、鼻血の原因は放射線と仄めかす驚きの発言が飛び出しています。さらに、5月12日発売号に掲載された「福島を広域に除染しても人が住めるようにするなんてできない」という福島大学・荒木田岳准教授の無責任な差別表現も見逃せません。

 急性放射線障害を引き起こす線量は、1シーベルト以上です。白血病や発がんの後障害を誘発する線量は0.2シーベルト以上です。これらは瞬時の線量であり、年単位の積算値ではありません。「美味しんぼ」で指摘されているマイクロシーベルトのマイクロはその100万分の1しかなく、急性症状も発がんなどの後障害も絶対に生じない範囲です。

 レントゲン博士がX線の発見で世界最初のノーベル物理学賞を受賞し、その2年後には、マリーおよびピエール・キュリー、アンリ・ベクレルらが放射能の発見で同賞を受賞しました。これらを背景として、低線量率放射線診断であるCT(コンピュータ断層撮影)やPET診断(陽電子放出断層撮影)が発明されて、医学・医療が大きく進歩しています。

 医学界では、放射線の安全利用に努めています。放射線防護学は100年以上の歴史があります。毎時1マイクロシーベルトの超低線量率や毎日1ミリシーベルト低線量率では、人体被害はありません。

 福島の超低線量率放射線にリスクはないにもかかわらず、マンガ「美味しんぼ」による実害が急性に発生しました。人気観光地・飯坂温泉のある旅館では、県外の学校や団体(数百名分)が宿泊をキャンセルしたと5月13日のニュース番組(福島テレビ)で報じています。「美味しんぼ」の表現を気にした保護者からの反対が理由とのことです。医科学を逸脱し、人権問題をも引き起こした小学館は風評加害者であり、出版業の道を踏み外しているといえます。

 3.11の東日本大震災で誘発された福島第一原発事故以来、国内は放射線情報で混乱しました。3年目のいま、あらためて医学物理および放射線防護学の専門家として、放射線の医科学を解説したいと思います。私は震災の翌4月以降、福島第一原発周辺を含む現地を継続的に調査してきました。併せて、現地の超低線量率の現状の真実も読者に向けてお伝えします。

(中略)

第五福竜丸の船員ですら鼻血は出なかった

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 2002年に、私は放射線防護学の研究成果に基づき、放射線の危険度(リスク)を判断するための「線量6段階区分」を発表しました。

 6段階区分は、もっとも危険なAからまったく問題のないFまでに分かれています。AからCが危険な範囲、DからFが安全な範囲です。CとDは10倍の差があり、そのあいだは放射線の取り扱いを職業とする人たちの年間線量限度の範囲にあります(レベルD+)。職業人の線量限度は他産業のリスクと同じレベルにあると考えられています。運輸業での交通事故、医療従事者の院内感染など、どの職業にもリスクはあります。

 レベルA(線量4シーベルト以上)のリスクは死亡です。チェルノブイリ黒鉛原子炉暴走事故の運転職員、東海村臨界事故時の現場職員、広島・長崎の爆発直下の市民、中国の楼蘭地表核爆発周辺住民が、レベルAの線量を受けた事例です。短時間に嘔吐し、下痢症状を示します。

 レベルB(線量1~3シーベルト)では必ずしも致死リスクはないのですが、顕著な急性症状が現れます。症状は、嘔吐、めまい、皮膚熱傷、脱毛、血球数変化などです。「美味しんぼ」で描かれた鼻血が垂れる症状は、レベルBの一般的な症状ではないし、死亡した東海村のウラン燃料会社職員にも鼻血を垂らす症状はありませんでした。しかも、福島第一原発の職員のなかで急性放射線症状を示した職員は1人もいません。

 昭和29(1954)年3月1日、アメリカの水爆実験海域に接近し、核の灰を浴びたマグロ漁船第五福竜丸の船員たちはレベルBに属します。彼らは、核が放射するベータ線による皮膚熱傷、脱毛、頭痛、めまいはありましたが、鼻血は出ませんでした。帰国後、売血輸血の治療が原因で23人中、17人が急性肝炎になったのです。とくに肝臓障害が重かった1人が9月に亡くなりましたが、放射線が原因で死んではいません。

 私は、マーシャル諸島のロンゲラップで暮らした島民の調査を2度、1999年と2005年に実施しましたが、島民たちに急性肝炎も鼻血の症状も見られませんでした。皮膚熱傷、脱毛、血球数減少の急性症状です。64人中、一人の少年が後年、白血病で亡くなりました。線量はレベルBでした。当時レベルBだったロンゲラップの島民でさえ鼻血がないのに、レベルD以下のいまの福島で鼻血が出ることは絶対にありえません。

 当時の放射能を比べると、ロンゲラップは福島の1000倍以上です。北海道がんセンターの西尾正道名誉院長の発言「放射性物質が付着した微粒子が鼻腔内に入って低線量でも鼻血が出る現象はあり、医学的根拠がある」(5月24日付『朝日新聞』)は、まったくありもしない妄想です。非科学的な風評加害は許せません

放射線による甲状腺がんは発生しない

 レベルC(線量0.1~0.9シーベルト)は無症状です。ただし、受精から15週までに瞬時にレベルCの線量を受けた妊婦の場合に、流産、奇形、精神遅滞のリスクがあるので要注意です。繰り返しますが、福島の超低線量ではこのリスクはありません。広島と長崎の被災者のなかでレベルC以上(線量0.2シーベルト以上)の生存者は、白血病、胃がん、甲状腺がん、乳がんなどの悪性腫瘍のリスクが高まりました。一方、レベルC未満のケースでは、悪性腫瘍のリスクは見られませんでした。福島県民の外部被曝はレベルDであって、レベルC以上はいません。白血病、固形がんのリスクは増加しないのです

 小児の甲状腺影響の心配に対し、福島県は10メガヘルツのエコープローブ(超音波探触子)を使用して甲状腺検査を実施しています。しかも、確かな疫学調査とするために、ケース(福島県)&コントロール(他県)スタディが実施されています。平成24年度、福島県民13万4074人と県外(青森県、山梨県、長崎県)4365人の両者の甲状腺検査結果に統計的有意差はありませんでした。高分解能超音波エコーを用いた10万人規模の検査は世界でも珍しいものです。通常、100万人に一人の小児甲状腺がんとは、未検査の場合に見つかる甲状腺がんの確率であり、10万人規模の実検査で発見される確率ではありません。県内外の比較で、異常なしのA判定が99.3%(県内)に対して99.0%(県外)、二次検査の必要ありのB判定は0.7%(内)に対して1.0%(外)、直ちに二次検査の必要なC判定は0.001%(内)、に対して0.0%(外)でした。

 すなわちこの疫学調査の結果は、福島の子どもたちに特別な甲状腺の異常は発生していないことを示しています。県内外で、特段の差異は見つかっていません。今回の事例は、多数の検査で、普通の生活のなかで発生するごく稀な甲状腺異常が見つかった範囲です。

 加えて福島県民の甲状腺線量は35ミリシーベルト以下でした。私も、震災の翌4月に浪江町民40人、二本松市民24人、飯舘村民2人の計66人を検査した結果、最大の人でも8ミリシーベルトでした。この値は、チェルノブイリ事故周辺住民の最大線量50シーベルトの1000分の1以下しかありません。

 チェルノブイリと同じリスク係数を当てはめても、放射線由来の小児甲状腺がん年間発生リスクが1000万人に1人以下と予測されます。すなわち、放射線による甲状腺がんは福島県で発生しない、と判断できます。

 福島県の親御さん、心配無用です。

政府の誤推定では未来永劫、浪江町に帰れない

 私は先述のように、東日本大震災の翌4月8~10日に福島県民の放射線衛生を調査しました。浪江町民から、残してきた牛たちを見てきてほしいといわれ、末の森に行きました。一人で畑の放射能測定をしていたら、遠くにいた20頭ほどの黒毛和牛たちが集まってきました。飼い主たちがいなくて淋しかったのでしょう。そのなかで下痢や脱毛など、急性放射線障害を示す牛は一頭もいませんでした。これは低線量率の証拠です。現地では、牧畜家の元浪江町議会議長の山本幸男さんに偶然出会いました。それ以来、牛たちの放射線衛生調査を継続しています。最大の悲劇は、政府による非道な殺処分です。牛3500頭、豚3万頭、ニワトリ44万羽、馬100頭が犠牲になりました。民主党政権から始まった風評加害事件はまるで中世の魔女狩りです。

 誤解されるようですが、放射能は伝染病ではありません。放射能は弱まり、消滅する法則があります。半減期が短い核種ほど強い放射線を出しますが、最初に消滅します。半減期が約8日間の放射性ヨウ素は、すでに消滅しています。大気中および体内のセシウムも3年たったいまでは大幅に減少しています。

 福島第一原発の境界敷地でも2日間の測定をしました。胸に装着する個人線量計で積算線量を確認すると、0.1ミリシーベルト。震災元年4月の2泊3日の現地調査では1日当たり0.05ミリシーベルトです。この低線量率は危険でないので、私は持参していた防護服とマスクを着用しませんでした。もちろん当日、私に鼻血はなく、脱毛もなく、いまも髪はフサフサです。

 2年目の3月に、政府が年間50ミリシーベルトを超えると断定し、帰還困難区域と指定した浪江町末の森にある山本さんの自宅で、2泊3日の調査を行ないました。すると1日の実線量は0.05ミリシーベルト、年間17ミリシーベルトだったのです。政府の調査は畑での空間線量率を測り計算しているので、3倍くらいの過大の線量評価になっています。政府の誤った線量推定では未来永劫、浪江町には帰還できません。この地は政府が放置し、まったく除染がされていないのです。放牧地と自宅周辺の除染をすれば、すぐに年間5ミリシーベルト以下に改善できます

 5月14日、日本人初の国際宇宙ステーション船長を務めた若田光一さんが、半年ぶりに、ソユーズ宇宙船でカザフスタンの草原に帰還しました。そのときの映像をテレビで観ましたが、彼は至って元気そうでした。もちろん、鼻血は垂れていません。宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション内で受ける線量率は1日1ミリシーベルトです。この線量率は、地表の平均値の30~300倍です。今回の若田さんの場合は188ミリシーベルトになります。

 私の調査グループは、宇宙飛行士522人の線量と死因を調査しています。522人の宇宙飛行士とアメリカの一般人の死因を比べて、特段の違いは見つかっていません。月面着陸したアームストロング船長は2012年8月に、82歳でこの世を去りましたが、アメリカ人の平均寿命79歳よりも3年長く生きました。

 生命にとって、受けるエネルギーは総量よりも毎日の量がとくに重要です。放射線でいえば、1日当たりのエネルギー=線量・線量率(ミリシーベルト/日)です。生命活動は休みなく持続し、細胞に寿命があって再生されているからです。たとえば、白血球であれば3~5日、小腸栄養吸収細胞が24時間です。だから、各細胞が受けたエネルギーは蓄積しません。宇宙飛行士が健康を維持している理由がここにあります。

 震災から3年たったいま、福島県民の多くは、セシウムによる線量は年間1ミリシーベルト程度か、それ以下です。これは、食品摂取による体内セシウムも含めての値です。線量率は宇宙飛行士の300分の1程度で、健康被害のリスクはまったくありません。食品流通の目的で農地や放牧地さえ除染すれば、20km圏内の産業も再建できます。

 昭和20(1945)年8月、広島は70年間、草木が生えないといわれました。しかし同年10月には、市内電車も全線再開し、人たちも少しずつ戻ってきました。翌年には市内で農作物が収穫できていますし、広島市の女性の平均寿命は日本一に輝いたこともあります(86.3歳、2005年)。当然、福島県は完全に復興できます。

 さらば迷信、こんにちは科学。


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Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
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(2009年7月25日開設)


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