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英語教育の在り方に関する有識者会議(第2回) 議事録

英語教育の在り方に関する有識者会議(第2回) 議事録

【吉田座長】  よろしいでしょうか。それでは、よろしくお願いいたします。
 それでは、小委員会については今のような形でまず出発したいと思います。
 次に、第1回で英語教育の開始時期について科学的な観点からの話をというような御発言がございました。私と大津委員はそれぞれ児童英語、幼児言語習得というのですか、そういう分野で、多少の違いはありますけれども、研究はしてきていますので、私の方からまず臨界期仮説について少し説明をさせていただき、その後でまた大津委員の方から補足していただければと思います。
 それでは、お手元の資料もございますが、一応パワーポイントの方もございますので、前の方を見ていただければと思います。
 EFL環境というのはどういうことかというと、日本という国は、日常的に英語が使われている環境ではなくて、飽くまでも英語というのは学校で学ばれているのが中心でして、飽くまでも外国語であるという環境だとお考えください。したがって、日常生活でふだん使っているという言語ではないということです。そういうような環境において、果たして本当に臨界期はあるのかということなのです。結論から言うと、余り適用できないものではないかと思いますが、とにかくちょっとその辺についてお話ししていきたいと思います。
 もともと臨界期仮説というのは本来母語の習得に関する仮説なのです。ですから、外国語習得に関する仮説ではなくて、幾つも例があります。一つはレネバーグなどがやっているような脳に障害のあるようなお子さんとかは、言語障害に陥って言葉が話せなくなる。それが言葉、言語野としてまた復元するためには何歳ぐらいまでであれば、ほぼネイティブ、いわゆる普通の正常な子供と同じぐらいのところまで行けるだろうかということでいろいろ調べられた結果、大体13歳前後かという話が出ました。
 ですから、それよりも早くそういう言語障害に陥った場合は、結構もとに戻る可能性はある。でも、それを超えてしまうとなかなかそうはいかないというのが一つ出発点となりました。
 もう一つは、よくオオカミ少年だとか、いわゆる荒野で親と何らかの形で離れてしまって、自然界で1人で動物だとか、いろいろな環境で暮らさなければいけなかった。あるいはジニーだとかチェルシーだとか、そういう子供たちのように、人間社会にいながら、ほかの子供たちと接する機会がほとんどなかったようなケースもあるのですが、そういう人たちが、例えば10歳とか、チェルシーはもっと年をとっていましたけれども、そういう歳になってようやく保護されて、そして、自分の母語がちゃんと正常に育った子供と同じようにもう1回身に付くのだろうかというような、そういう調査結果が幾つもあります。
 したがって、もう10代の半ば以降に、ある意味では、母語を学び始めるというような環境の子供たちですが、ある程度コミュニケーションはできるようになるけれども、例えば文法力などの言語能力に関しては非常に大きな障害を持ったまま、あるいは正常にならないということが非常に多く見られるということなのです。ということは、やはりある一定の年齢までに母語に接していないと、なかなか正常な形では言語力は発達しないというふうに考えられています。
 もう一つは、ニューポートたちがよくやっているのが、手話の関係です。聴覚障害のお子さんが生まれる。そのお子さんが聴覚障害のない両親の間で生まれると、そのお子さんが聴覚障害であるということに気づくのに遅れるというケースがよくあるのです。両親が聴覚障害である場合はもう生まれたときから手話を使ってコミュニケーションはできているので、ですから、本当に早いときから手話を使ったコミュニケーションができるのですが、聴覚障害のない両親を持っていると、どうしても音声だけでコミュニケーションしようとする。うちの子はちょっと言葉を学ぶのが遅いのだというような観点で延び延びになってしまって、いろいろな記録を見ていると、例えば4歳頃になって初めて気づいて、そこから幼稚園だとかそういう特別な学校へ行って手話を学び始めたりするというケースがあるのです。
 そうすると、それよりももっと小さい頃からずっと手話で育ってきた子供と比べると、後々到達度、手話といってもこれも言語ですから、その言語能力としてネイティブの手話話者というふうに考えていいかもしれませんが、その正常な手話話者というレベルに、4歳以降に初めて手話でコミュニケーションを学び始めた子供はなかなか到達できないというような結果が出たりしているわけです。
 こういう研究というのは全部母語の習得なのです。ですから、ある一定の年齢を超えてしまうと、なかなか母語習得はうまくいかない可能性がありますという結果が出ています。
 それを受けていろいろな人たちが第二言語習得の環境においても同じような臨界期というのが存在するのかということでいろいろな研究が進みました。第二言語環境というのは何かというと、先ほどの外国語環境ではなく、例えばうちでは母語を話して両親とは日本語をしゃべっているかもしれませんが、学校だとか、あるいは社会に出ていくと全部英語であるというような環境です。ですから、日本人がアメリカなどで育っている場合は第二言語として、第二の母語のような形で英語を学んでいるというふうに考えていいと思うのですが、そういうような環境、つまり、この場合も、いわゆるその子供にとっての第二言語に接する機会が非常に多いのです。非常に多い。1日の半分は、単純に言えば半分以上は第二言語に接していると考えてもいいかもしれません。
 そういうような環境の場合はどうなのだろうかというのでやはり幾つも調査というか、実験というか、結果があります。一つは、これはスノーとフフネーゲルホレたちがやった研究ですけれども、アメリカの人たちでオランダに渡った人たちで、子供から大人までいるわけですが、そういう人たちでオランダ語を身に付けるのは子供の方が早いのか、大人の方が早いのかということで調査をしているのですが、これは発音から語彙から文法など、全部そういう言語要素を見ています。そうすると、3か月ぐらいという短期的な結果だけを見ると、子供よりも大人の方、特にティーンエイジャーが一番――やはり学校で接する機会が多いということもあるのだと思うのですが――の方が到達度が高いのです。小さい子供の場合よりもティーンエイジャーの方が到達度が高いということが分かっている。
 でも、それがまたさらに2年、3年というふうに長期的になると、最終的に到達できるレベルは小さい頃からその言語に接している子供の方が高いレベルに、よりネイティブに近いレベルに到達するという結果が出ています。ですから、短期的な場合は、これは多分認知力の違いもありますし、理屈で言葉を学びながらやっていけるわけですから、大人の方が早い。
 これで面白いのは、発音も短期的に言うと大人の方がいいというのです。その方がはっきりと、例えば日本語と英語の違いだと、この場合ですと、オランダ語と英語の違いだとか、自分で認識できますので、そうするとより正確な発音ができるなどというように。でも、長期的にはやはり小さい頃から始めた子の方がネイティブに近くなるというふうに言われています。
 ただ、では、明確なcritical periodが存在するのかとなってくると、なかなかこの年齢ですということはいえないというのが現状です。その2番目のところに少し書いておきましたけれども、例えばこれはヤマダさんという方が日本人のお子さんでRとLの聞き取りの区別についてなさった研究がありますが、大体7歳以前にアメリカなり英語圏に住んでいた子供の場合は、日本に戻ってからもある程度の年齢がたってから、その後しばらくたってからでもネイティブにより近いようなRとLの区別はできる
 ところが、海外に渡った年齢が7歳を超えて8歳以上であったりする場合は、ネイティブに近い聞き取りはできるのだけれども、多少間違いも出てきたりするというようなことを言われています。スーザン・オーヤマという人などの研究でも、文法力というのを見たときに、必ずしも明確な、何歳でどうというような個別な結論はなかなか見えないということがありますし、ほぼ誰でも皆さんが一致しているのは、語彙の習得には臨界期は全くない。何歳になったって単語は覚えられるということがいわれています。
 なかなか難しいのは、図表だかグラフだとかいろいろなものが出てくるのですけれども、確かに三、四歳ぐらいで渡った子供と、それから十数歳で渡った子供で、例えば英語の到達度を見ると、違いはあるにはあるのですが、ずっと細かく、毎年、5歳、6歳、7歳、8歳というようにずっと一つずつ見ていくと、急にがくんと習得ができなくなる年齢ってないのです。ずっと続いているのです。続いているので、必ずしも13歳になったらがたんと落ちるということでは決してないということもいわれています。ただ、やはり年齢とともにネイティブらしい言語獲得は難しくなるというような結果です。
 では、子供と大人で学び方の違いはあるのかということなのですが、子供の場合というのは、意識的に学ばなくても、その言語に接しているだけで、implicit acquisitionとありますが、自然に言語が学ばれるというケースが多いということなのですが、大人の場合は、どちらかというと、explicit、一般的認知を使って学んでいるというケースが非常に多いだろう。だから、学び方そのものに違いがあるので、このimplicit learningが可能である年齢と、それから、explicitにしかできないというような年齢の間に、それの間にまた明確な差があるのかというと、それも明確な差がここにありますという研究はまだありません。ただ、学び方の違いはやはりあるようだというふうにいわれています。
 4番目ですが、アイデンティティーの形成ということは、これはミノウラさんなどの研究であるのですが、10歳以前にアメリカ、ロスアンゼルスに渡った日本人の子供で4年以上既にアメリカに滞在しているという子供の場合は、アイデンティティー的にいうと、アイデンティティーというか、感覚です。物の考え方、見方という観点からすると、結構アメリカ人らしいというか、に近い考え方を持つようになる。だけど、10歳を超えてから行く、あるいは10歳以前であっても4年たっていない、3年ぐらいで帰ってくるとかという子供の場合、必ずしもそうはいかない。ですから、滞在年数もある程度関わってくるのではないかというふうにいわれています。
 ですから、渡った年齢と滞在年数によって、それを掛け合わせることによって多少違った結果も出てくるというわけです。これが第二言語習得なのです。
 それで、最初に言いましたように、では、外国語習得、日本のような環境はどうなのかというと、日本でも一応そこに簡単に、数字がいいかどうかって分かりませんけれども、1週間、24時間掛ける7日間で60分というと、大体1万80分ですか。そのうち小学校で45分英語やっていて、中学校は週4時間やっていて、せいぜい200分以内だろう。高等学校は5時間やったって、せいぜい300分以内です。それぐらいしか英語に接していないという、そういう環境において、今まで言ったような母語であるとか、あるいは1日の半分は外国語で接しているような第二言語環境と同じ結果が出るとはとても思えない。同じような要素がそこに働くとは思えないです。
 一つバルセロナ計画というのがあって、スペインというのは日本と同じように英語は外国語なわけで、日常的にずっと接しているわけではない。その結果を見ていくと、面白いのですけれども、8歳から英語を始めた子供と11歳から始めた子供の英語力を比較しているのです。4年後に比較しているのです。4年後どうなったか。小さい頃から始めた方が11歳から始めた子より、要するに追い越すのではないかというような発想があるかもしれないけれども、外国語環境においては追い越さないということが分かったのです。結局、4年たっても追い抜くことはないという結果になっています。
 ただし、二つの点だけで小さい頃から始めた子の方が優位だったというのは、listening comprehensionと発音。これだけは統計的に有意な差が出たというようなことをいわれていますし、一番下に谷塚さんの研究を出しましたが、彼女の研究は日本で行われて、日本の大学生に対して、小学校時代に英語をやったかやっていないかというので、大学生になってからlistening comprehensionのテストをやったら、小学校時代にやっていたという人の方が大学生になってもlistening comprehensionが高かったという。それから、英語に対する肯定的な態度も高かったというような結果は出ています。基本的にこの程度です。
 実をいうと、私たちもちょっと実験をしました。これはベネッセさんと一緒に私が以前やった研究なのですが、これは高校生です。2006年の高校生です、一応この上の方が小学校時代に英語をやった経験がある子で、下の方がやったことがない子なのです。高校生になって、今、どういうモチベーションというか、どういう目的で英語を勉強しているのということを聞いてみると、ここにあるように、どっちも受験勉強というのは大きいですが、それ以外のところを見ていただくと、英語を話す人と友達や知り合いになりたいから勉強しているとか、知らない言葉を学ぶのが面白いので勉強しているとか、世界をよりよく理解するためにほかの文化について学びたいから勉強しているとか、英語が書けるようになったり話せるようになって、海外の人とコミュニケーション、やりとりができるようになりたいというのは全部小学校からやっていた子の方がモチベーションについては高いということは分かりました。
 それから、数年前に、これも私の方でやった実験で、これも1,300名近く。この部分は730名。これは何でかというと、中学1年、中学2年とちょっと経年的に計っていって、経年変化というものがあるのかどうかというのを見ながらやったのですが、出てきた結果は何かというと、英語力そのものの差というのはやはり余り見られないのです。あるのは何かというと、ここのところ、やはり先ほどと似ていて、英語は得意科目だ、あるいは英単語を発音するのが好きだというのは、これはマイナスが付いているのは、年齢、小さい頃から始めた場合の方が逆に高いという負の相関が出ているということなのです。大して大きな相関ではないのですが、一応相関がないわけではない。
 もう一つは、認知的に英語が得意だとか、外国人に英語で話しかけられても平気だとか、もっと英語を話す機会が欲しいというような、そういう態度と、それから、英検の級の取得、5級、4級、3級というふうに取っていって、それを比較すると、これは相関ですから、因果関係は全く分からないのですが、でも、少なくとも見ていると、例えば英検3級取っている子の方が5級の子よりもこういうような項目についてはより肯定的な答えを出しているというような結果はあります。
 もう一つは、やはり外国語環境ということはあるのかもしれませんが、中学1年、2年で計ったのですが、わずか1年差なので、余り大していえないかもしれませんが、学習年数はほとんど有意差はなかったということです。相関も出ませんでした。結論からすると、このcritical periodというのはありますが、本来これは母語習得に関するものであって、せいぜい広げられたとしても、生活の半分が第二言語であるような第二言語環境に当てはまる現象であって、日本のような外国語環境においてはほとんど当てはまらないと考えた方がいいというふうに思います。
 ただし、見えることが少しだけあるとすれば、例えば聞き取りだとか発音に関しては、中学以前に学んだ子の方が多少自信が持てるような、あるいは実際にlistening comprehensionのテストをやるといい点が取れるということは確かに幾つかの研究、実験で分かっています。あともう一つ、語彙習得に関しては全く関係ありません。もう何歳でも語彙は習得できます。ここにあるモチベーションというか、より勉強したいとか、外国人と会っても全然おどおどしないとか、そういうような情緒的な要素と開始年齢の間にはそれなりの相関は見られるということは分かっていますが、これも相関ですから、必ずしも因果関係とはいえない。こんなところです。
 余り日本のような外国語環境においての実験というのはない現実です。ほとんどが母語と第二言語の問題です。
 以上、私の方からはこういうお話なのですが、大津委員の方もやはり幼児言語をずっとおられますので、少し補足説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【大津委員】  「少し」になるか、「たくさん」になるか分かりませんけれども、補足ですので、なるべく手短にやりたいと思います。
 縦長の資料を御覧いただきたいのですが、まず第1節で、臨界期というのは、「生物学的現象である」としています。つまり、臨界期というのが仮にあるとすると、それは脳に起因する現象だということです。それで、先ほどの吉田さんの話にも出てきましたように、言語獲得、母語の獲得において、臨界期というものが存在するんじゃないだろうかということを最初に広く知らしめたのがエリック・レネバーグ(Eric Lenneberg)です。1967年出版のBiological Foundations of Languageという本です。これは結構大きな本なのですけれども、実はレネバーグ自身はこの著作を出す前に論文を幾つか出していて、その中で母語獲得に臨界期があるということを示唆してはいたのですが、一般的には67年の著作で初めてその見解を明らかにしたということになっています。
 ただ、ここで気をつけなくてはいけないのは、仮に臨界期があるとしても、なぜその臨界期が生じるのかということについて、レネバーグははっきりとした答えを出していません。はっきりとした答えは出していないけれども、ある程度こんな可能性があると言っているのは、多分皆さん御存じだと思いますが、大脳というのは左と右の両方の半球に分かれていますが、言語機能というのは、大人になると通常の場合には左ないしは右に局在するようになります。右利きか左利きかで多少変わりますけれども、例えば右利きですと、9割以上の人が左の半球に言語機能が局在する。機能局在が落ち着くのが大体思春期の始まる頃なので、母語獲得の臨界期と言われている時期と一致するので、ひょっとしたらそれが原因なのかもしれないとレネバーグは考えました。ただ、決してそれは実証されたという話ではありません。
 それ以降、いろいろと面白い関連研究があるのですけれども、もし英語がお読みになれるのでしたら、資料で次に挙げてあるニューポート(Elissa Newport)の2005年の論文、これはサーベイ論文というか、それまでの主要な研究成果を整理したもので、短いものですけれども、信頼できるものですので、是非お読みください。英語はちょっとというかたは日本語でということになるかと思うのですけれども、日本語で読める、しかし信頼できる解説としては、榊原洋一先生の、これは講談社+α新書という、御存じの方だったら分かるように、比較的、かなり分かりやすく書いてある書物が多い新書ですけれども、その中に入っているものがあります。ひょっとしたら絶版になっているかもしれませんが、図書館に行けば御覧になれると思いますので、是非お読みください。
 2点目は、「母語(あるいは、第一言語)獲得」、「狭義の第二言語獲得」、「外国語学習」の区別ということで、これは吉田さんもお話の中ではっきりと区別しておられましたが、ちょっと図式化した方がいいかと思いますので、それを私のハンドアウトの1ページ目の後半に載せてあります。まず、「言語獲得」と言ったとき、「母語獲得」、あるいは、「第一言語獲得」があります。母語、あるいは、第一言語は赤ちゃんが身につけるのですけれども、しかし、場合によっては、母語よりも後に別の言語を身につけるということもあります。その言語は第一言語の後に来ますので、通常は「第二言語」と呼びます。2番目であっても3番目であっても、全部ひっくるめて「第二言語」というのが普通です。
 ただし、「広義の第二言語獲得」というのは二つに分かれ、それは「狭義の第二言語獲得」と「外国語学習」です。分かりにくいかもしれないので、それぞれのイメージを右に書いておきました。「第一言語(母語)獲得」というのは、例えば日本で生まれて日本で育った赤ちゃんが日本語を身につけるケースがそれに当たります。2番目の「狭義の第二言語獲得」というのは、日本に生まれた子供が何かの事情で3歳でアメリカに移り住むことになって、英語も身につける。これは先ほどの吉田さんの話にあったように、英語が生活言語として使われている環境の中から身につけるという場合です。
 外国語というのは、母語の後に身につけるのですから、第二言語には変わりないのですけれども、日本に生まれ日本で育った子供が学校で英語を学習するという場合がそれに当たります。吉田さんのお話にあったように、一旦教室の外に出てしまうと英語が生活言語として使われていない環境で学習が進みます。これを「外国語学習」と呼びます。この三つの形態というのはきちんと区別する必要があります。
 問題は、「広義の第二言語獲得」と「狭義の第二言語獲得」というのが、通常は研究者の間でも今お話ししたようにはっきりと明示されることが余りないまま、議論が進むことが多いので、混同されがちだという点です。しかし、ここのところはしっかりと区別する必要があります。
外国語学習については、擬似的に狭義の第二言語獲得環境を作り出して行うこともあります。イマージョン教育というのがそれに当たります。前回も話題になりましたが、例えば沼津市の加藤学園での実践がその例です。学校で国語などを除いて、それ以外の教科を全部英語で教え、そして、学校でも英語が飛び交っているという環境、つまり、擬似的に狭義の第二言語獲得環境を作るという試みです。
 それから、多田さんが前回御紹介してくださったように、アメリカでも――バージニア州ですか――日本語のイマージョン教育というのがあるそうで、これは今回私は初めて知ってとても勉強になりました。
 ハンドアウトのページをめくっていただいて、いま説明した三つの形態を区別すると、「アメリカでは赤ちゃんだって英語を話している。だから、早くから英語の学習を始めなければいけない」だなんていうのはとんでもない議論だということがすぐわかります。
困った議論の別の例を挙げましょう。親が駐在員としてアメリカに行くことになり、家族全体でアメリカへ行くと、まず学齢前の子供が英語を話すようになって、続いて小学生、中学生の順で話すようになる。高校生だとなかなか話せるようにはならず、大人が一番苦労する。お父さんでも、お母さんでも派遣された方は会社で英語を使うから多少はよいのですが、問題はふだんは家にいる親です。実態としては、お母さんであることが圧倒的に多いのですが、駐在期間が終わりに近づいてもまだ英語が物にならず、このままでは日本に帰って恥ずかしいからと英語学校に通うようになったりする。実際、こういう人たちのための学校があるところもある。だから英語は早くからやるべきだという、これは議論にはなりません。これは狭義の第二言語獲得の話ですから。
 その下に文献を幾つか挙げておきましたので、英語に関心がある方はどうぞ読んでください。先ほどの吉田さんの話で、外国語学習についても、発音と、それから聞き取りの力については早く始めればそれなりの効果があるらしいということがあったのですが、仮に発音についての事実がそうであったとしても、これは注意する必要があります。ことばというのは発音が独り歩きできない。どんなに発音が上手であっても、文法というものがなければ、それを生かすことができない。宝の持ち腐れになってしまう。なまじ発音がいいから、自分自身も英語ができると思ってしまう。周りの大人も、「まあ、この子は英語が上手ね!」と感心してしまって、結局そのまま終わりになってしまうとことだってある。
 さらに、もう一つ注意しなければいけないのは、発音については早く始めた方がよいということは、つまり、小さい子供は発音に敏感だということですから、この時期に妙な発音を耳にしてしまうと、それが身についてしまうおそれがある。念のために言っておきますけれども、私は、英語学習するときに、いわゆるネイティブの英語で話さなくてはいけないと言っているのではありません。しかし、重要なのは、耳にする発音が一貫した音韻体系にもとづくものでなくてはいけないという点です。しかも体系的なものでなくてはいけない。こういうことができる指導者というのは結構少ないので、このあたりのところを十分に配慮する必要があると思います。
 3番目に注意したい点は、脳科学と英語教育の関連です。前回、脳科学も進展してきたのだから、そういう科学的知見を取り入れてとおっしゃった方がいらっしゃいましたが、私はそうは思いません。ハンドアウトの最初の4行ぐらい読みましょうか。「いわゆる脳科学は近年、脳機能画像法の開発、進展と相まって、著しい進歩を遂げたが、言語の脳科学の研究成果で現実の言語教育、殊に外国語としての英語教育に関する政策や教授法に直接示唆を与える研究成果は今のところない」。そんなことはおまえが言っているだけで、信用できないと言われると困るので、日本を代表する、これは誰が見ても間違いないと思われる脳科学研究者に私の見解について意見を求めましたけれども、ハンドアウトに書きましたように、1人の例外もなく、私の意見に賛成ということです。
 ついでに、ちょうどいいことに、3月16日付の、今持ってきましたが、朝日新聞のGLOBEという別冊があって、この中で「脳のふしぎ」という特集がありました。その特集の中で利根川進さんが脳については随分いろいろなことが分かってきたけれども、分からないことがまだたくさんあるのだということを書いておられます。6割、7割は分からないと書いておられたかと思いますけれども、言語に関してはもっと分わかっていなくて、少なくとも私の感覚としては、言語と脳の関係について分かっているのはせいぜい5%ぐらいのもので、ほとんど分かっていない。
 だから、脳科学の研究を参照しながら現実の英語教育の政策を考えようとか、あるいはましてや、英語教授法を考えようだなんていうのは、絶対に踏み込んではいけない道だと考えます。
 以上、補足です。

【吉田座長】  どうもありがとうございました。
 私たち2人で今、いろいろお話しさせていただきましたが、皆様の中から御質問なり何かございましたらお受けしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

【松川委員】  よろしいですか。

【吉田座長】  どうぞ。

【松川委員】  大変丁寧な御説明をしていただきまして、頭の整理ができたところでございますが、吉田委員と大津委員、お二人に質問させていただきたいのですが、今のお二人の御意見を伺っていますと、日本の外国語教育政策上、学習の開始時期の適期というものに関して、言語獲得研究あるいは脳科学でいつがよいのかについて直接示唆する知見はないというのが御結論だと思います。それであれば、現在小学校5、6年で外国語活動が行われているという現実があります。そして、この会議で議論する基になっている計画の中で小学校3年から活動型の学習をする、5年から教科型の活動をするということになっているわけですけれども、そのことについてどう思っていらっしゃるのかという御意見を聞きたいというのが1点です。
 それから、科学的なものでcritical period、決定的な開始時期がいつということが決まらないとすれば、その時期は何によって決まるのか、何が決めるべきだとお考えなのかということを、私としては伺いたいのですが、いかがでしょうか。

【大津委員】  どうぞ、座長から。

【吉田座長】  先ほど私の方で出させていただいたのは、どちらかというと、言語的なものよりも情緒的なものだったりモチベーション的なものであったりというのは小さい頃から始めた方が活性化されるというようなことが一つあると思います。
 大津委員が先ほど発音の話をされましたが、発音がいいとモチベーションになるということもあるのです。そういう意味で言うと、人から褒められて、いい発音しているねと言われるだけでもやる気が出るということもあるので、科学的に何だかんだというのはまず日本のようなこういう外国語環境ではあり得ないと思うし、それは必要ないと私は思います。
 逆に言うと、もしそういうモチベーション的なもので英語だとか外国語を学ぶ、それこそ今言われている素地的なものを築くのであれば、早いということは何の問題もないし、逆にそれがプラスに働く可能性は十分にあるというふうに考えます。
 先ほど外国語活動と教科という問題がありましたが、これはちょっとまた別の問題になるかもしれませんが、私が今の現状で問題として感じているのは、5、6年生で一応現段階では外国語活動というふうになっていますが、そこで実際に身に付けた――何を身に付けるかというのは学校によって全然違うし、やり方も全然違うのですけれども――ものが今現在中学校に入ったときに生かされているかってほとんど生かされていないというような印象を受けてしょうがないのです。
 やはり幾つもの小学校から卒業した子供たちが一つの学校へ入ってきますし、そうなったときに非常に先進的にやっている学校から来れば、そうでない学校からも来るわけで、中学校の先生って非常に大変だと思うのです。そういうときに、小学校でやってきたからって、何やってきたのか。みんなばらばらだし、どうにも収集つかないような、そういう気がします。だから、どうしても今現状を見ていると、小学校でやってきたことというのは比較的無視されがちになってしまっているという、そういう現状があるかという気がするのです。
 これが3年生からもし、いわゆる外国語活動として入ってきて、体験学習的に英語に触れる機会があり、同じ環境の中で同じほかの生徒と一緒に5年生から教科ということで基礎的な英語に関する知識であったり技能というものが身に付き、そして、学習指導要領で小学校6年生までにはここまでのことはきちんとある程度できるようにしましょうという目標ができれば、場合によって、中学校の先生にしても、中学校に入ってくる子供は大体こういうことはできるのだろうという一つの前提に立って授業も可能なのかというふうに思うのです。
 ですから、もしそれがうまくいけばですけれども、うまくいけば、それなりに今、小中連携で非常に問題がある部分が、理屈からすれば多少はこの辺の流れが、接続がうまくいく可能性があるのかというふうに思います。
 ですから、何歳から始めるということ、絶対こうでなければいけないというのはまず日本はないと思います。だけど、そういうモチベーション的なもの、情緒的なものを考えれば、早くから英語に接している、外国語に接しているということは決して悪いことではないというふうに私は一応思います。

【大津委員】  松川さんの二つの問いの最初の方からお答えしましょう。おまえたちは科学の観点から英語学習は早くから始めた方が有利であるという根拠はないと言った。そういう立場に立って、今行われている小学校の英語活動とか、あるいは導入されようとしている小学校での教科としての英語についてどう思うかというのが最初の質問だと思います。まず注意が必要で、私たちが科学的な根拠がないと言ったのは、「脳科学」なのです。ちなみに脳科学の専門家は「脳科学」という呼び名は余り好まない人が多く、「神経生理学」だとか、「神経心理学」だとか、「神経認知科学」だとかと、そういう呼び名を好むのですけれども、面倒くさいからここでは「脳科学」と呼ぶことにしましょう。そういう観点から外国語教育に対して直接の示唆はない。しかし、心の科学、認知科学とか言語学から示唆するところというのは結構たくさんあります。ですから、そうした科学的な成果というのを全く考慮しないでよいとか、あるいは、しない方がよいのだということを言ったつもりはありません。
 そうはいうものの、認知科学にしても、言語学にしても、いつから外国語学習を始めたらいいかという答えは出してくれません。では、そのときに何を頼りにすればよいのかというのが2番目の問いかと思うのですけれども、それはもちろん関連する科学の成果、認知科学や言語学の成果を横目でにらみながら、あとは実際に教室で子供たちと向かい合った体験をお積みの先生がたと、研究者、その中には言語教育、英語教育の専門家や認知科学者、脳学者などが入ると思うのですけれども、そうした人たちの知恵を寄せ集めて、いろいろな議論をしながら、答えを探り出していく。
 こういうレシピ(手順)に従って事を進めていくと、外国語学習をいつ、どうやって始めたらよいかということに関する最適解が必ず得られますというようなものは存在しないというのが私の考えです。松川さん、いいでしょうか。

【吉田座長】  ということですが、どうぞ。

【松川委員】  大変つまらないような質問をしたわけですけれども、やはり今問題になっている、前回も言わせていただきましたけれども、今度の計画の中での一つの大きなポイントというのは、やはり小学校の3年生で活動型ということよりも、5、6先生で教科型をやるというところだと思うのです。その理由を明らかにして示すことが必要だと考えます。計画でそうなっているからやるのだということなのだとは思いますが、一般世間の人、あるいは学校の先生方が、なぜ5年生から教科型での英語教育を行うのか、それは何によって決まったのかを理解したり納得したりできるようにすることが大切だと考えます。
 本日、「目標」のことを議論する時間が設けられているということですが、目標も大事ですけれども、目的が大事なのだと考えます。開始学年や教科型による英語教育の実施は、科学的な知見で決まってくるわけではなくて、政策上の問題なのだと思います。複雑なものがあると思うのですが、一つは社会的な背景で、今、小学校の子供たちが実際にかなり学校外でも塾に行くなど様々に機会を得て勉強をかなり行っているということであるとか、また、小学校に何らかの形で英語に触れるなどの活動が取り入れられて以降、20年とは言いませんが、研究開発学校の段階から総合的な学習の時間を経て20年近い年月が経過してきていますので、そのような歴史的な積み重ねというものの一つの段階として、今のステップに至っているのだと思うわけです。そのステップアップの理由を下の段階、つまり小学校段階に求めることもあろうかと思いますが、上の段階、つまり高等学校段階に求めることもあるのではないでしょうか。言い換えますと、高校を卒業する段階のレベルをかなり上げていこうと思ったときに、小学校段階における英語教育をかなり体系的に行うべきだという考え方もあるのだと思います。いずれにしても、国民の皆さんもそうですし、実際に指導に当たっている小学校の先生たちにも、今回導入が検討されている教科としての英語教育の位置付けといいますか、なぜ小学校段階でこれだけの分量のもの、体系的に学ぶ必要があるのかということについて、critical period説で説明するということはないということであれば、それなりの理由をはっきりさせるということが一番大事なことだと考えます。
 この施策がうまくいくかどうかということの根本は、その「理由」を迷いなく明らかにできるかどうかであり、その点にはっきりしないものがあるとうまくいかないと思いますので、つまらない質問をさせていただきました。
 もう一つは、教科にするというときに、先ほどの御説明の資料でも問題になっているのは、高学年において体系的な学習が必要とされているということですが、その体系的とはどういう意味で使われているのかということです。もちろん教科というのは他の教科でも体系的なものでしょうけれども、この場合、英語について、小学校での英語教育を体系的に実施するということの中身が余りはっきりしていないのではないかと思っています。例えば、今ほど吉田先生や大津先生がおっしゃった様々な科学の知見というものが、体系性の中にある程度反映されてこなければおかしいと私は思うのです。
 子供が英語を学ぶときにどういう体系で学ぶべきかということは、やはりもろもろの科学の中から出してもらう必要があると思いますので、そのようなことも含めて、質問させていただいたというのが本意でございます。

【吉田座長】  お答えするということではない。はい、分かりました。
 ほかにも何か御質問とかございますでしょうか。

【大津委員】  ちょっとだけお答えしたいのですが…。

【吉田座長】  大津さん、どうぞ。

【大津委員】  最後の体系的云々(うんぬん)というのは、私が使ったわけじゃないから、私が答えることじゃないと思うのだけれども、多分体系的といったときに大方の人が思っているのは、例えば文字の指導とか、あるいは文字と音(おと)、正確には音(おん)ですけれども、の関係の指導だなんてところじゃないかと思うのですね。こういう点については、ある程度全体を見据えた上で指導を行わなくてはならない。それから、さらに体系性ということであれば、大切なのは文法です。文法ということばは最近はどちらかというと御法度に近いので、それを避けて「体系的」と言った方が安全かというような思慮も働いているのではないかと私は思っています。

【吉田座長】  では、ついでにちょっと私の見解ですけれども、体系的というのは、この後も出てきますけれども、小中高一貫した一つの英語の学習あるいは指導の在り方を考えるという意味での考えるという体系というのがもう一つあって、それは今回非常に大事じゃないかと思うのです。だから、小学校を小学校だけで取り上げるとか、中学校を中学校だけで取り上げる、高校を高校だけで取り上げるのではなくて、日本の英語教育全体を見渡したときに、その中で小学校はどういう役割を果たして何をやるべきなのか、中学校は何をやるべきなのか、高校は何をやるべきなのか。
 先生おっしゃったように、まず高校を出るときにはこれぐらいのことができなければいけないというところからさかのぼって逆算していくということも可能でしょうし、それと同時に、多分上から、下から、それぞれ意見を出し合いながら、では、ここではこういうふうにやっていこうという接点を見つけていくのではないかと思うのです。それも広い意味で、大津委員がおっしゃったような意味の体系もあるでしょうが、私なんかはむしろ逆にそっちの形の体系というのを考えています。
 はい、どうぞ。

【髙木委員】  今、座長のお話で、内容の体系というか、系統性の問題が出ているのですけれども、ちょっと先走った話で、これから恐らく教育目標とかそっちの話に行くと思うのですが、一方、現行の学習指導要領でも、私の立場から言えば、教育方法学ですから、そちらから申し上げれば、授業内容の系統性は現行の学習指導要領でも、例えば国語であり、算数・数学であり、社会であり、理科でもできているのです。
 ところが現実は、小学校と中高との指導方法の違いによって、その系統性や体系性がうまく連続できていないような学習指導が行われている場合もあるわけで、今、系統性や体系性を考えていくときには、そういったことまで踏み込みませんと、特に小学校の先生方は8教科持って、さらにここで9教科目として英語という教科が入ってきたときに、指導法まで言われたときに、それはどういうふうにやっていくのかという、かなり難しさというか、ある意味では混乱が起きてくる。
 そのあたりまで考えてそういった体系とか系統という内容と具体を考えていくような方向性を是非この会の中で考えていただきたい。

【吉田座長】  そのとおりだと思います。そういう意味で、先ほど小委員会ということで、その指導体制について具体的に考えようというのはまさにそういうことを今後議論していくことではないかと思います。私も今、先生おっしゃったそのとおりだと思います。
 ほかの方。では、安河内委員。

【安河内委員】  これは意見なのですけれども、一般の人たち、一般の御父母の皆さんなのですけれども、多田委員の論外1にありますように、早くから始めるのだから、しゃべれるようになるのではないかと思われている方が結構多いのです。小学校で4年間もやったらペラペラになるのではないかと思われている方がいらっしゃるのです。つまり、狭義の第二言語環境でのimplicit learningとイマージョンをごっちゃにして。そのイマージョンと小学校の英語教育をごっちゃにされている御父母の皆さんが結構多いのです。
 だから、この点をしっかりと皆さんに知らせていかなければならないということが一つ私の意見です。
 一般的に考えて、私たち専門家からすると、4年間英語やったぐらいでできるようになるはずはないのですけれども、一般の人たちはそう考えていらっしゃらない。つまり、一種のイマージョン教育が小学校で行われるのではないかということで、かなり結果を期待していらっしゃる皆さんが多いということです。だから、この部分はちょっと留意した方がいいというふうに思いました。
 これが1点と、あとは脳科学の話なのですけれども、私も全く脳科学が示す結果というのは逆の方向を向いていることも、結構早期教育に関しては多いので、脳科学というよりはこれからは統計値に基づいてお話をした方が確実ではないかというふうに思いましたという意見です。非常に分かりやすい臨界期の説明ありがとうございました。

【吉田座長】  ありがとうございます。
 ほかの方はいかがですか。どうぞ。

【多田委員】  きょうは三木谷さんがいないので、大分、アカデミックというか、トーンが一緒なので、この辺でやはり民間出身としては一言申し上げて、ちょっと問題意識を提供したいというところです。
 やはり最初のそもそも論での英語教育は我が国にとって死活問題というところをもう少し民間企業の立場からお話ししたいと思います。その結論のところは、やはり小委員会のところで指導体制が非常に重要で、特に外部人材、地域人材の活用というところにつなげていければと思います。まず、20年間、多分教育の世界では余り変わらなかったかもしれないのですが、例えば日本と中国の関係で見ますと、20年前は中国の経済規模は日本の10分の1でした。今は日本の倍です。ですから、20倍の経済成長があった。これもグローバル化の現実です。そしてそこから良い面だけじゃなくて、悪い面もこれからいっぱい出てくる。それが海外にいても日本にいても起こってくるという環境の変化があります。それが一つ。
 あと、大津委員からバージニアでやっているイマージョン教育のお話がありましたけれども、私は25年間支援してきて感じるのは、バージニアで日本語イマージョンで算数、理科、保健を学んでいる人たちというのはやはりアメリカ人の子供なのです。ですから、日本語が話せるようになりまして、例えばこちらの文科省にも毎年表敬で来られるのですけれども、その生徒たち、小学校6年生が、例えば3年前ぐらいの中川副大臣のときに、副大臣に向かって日本語で陳情をするのです。しっかりとした意見を言います。これはなかなか堂々とした態度です。
 ですから、そういうことを考えますと、英語環境、外国語環境を話すときに、まず大前提として超えなくてはいけないパーセプションギャップがあります。特に民間の立場から考えますと、日本語で話せる内容は、頑張れば英語に直せるのです。ただ、ふだん思ってもいないことを英語で流暢(りゅうちょう)に話す、これは難しいです。ですから、やはり小学校、特に小さいときの学校では、ここに書いてありますように、思考力、判断力、表現力、が重要だと思いますし、それで、その子供たちの会話、例えばバージニアのイマージョンクラブの子供たちが話すときに、常に出てくるのは、どうして、why、何で、why not。それがどうした、so whatという、このなかなか議論がかみ合わないという状況に日本の子供たちも表現力とか、国語力も含めて慣れていく。これをした上でそれを英語に直していくという発想も、民間の立場から考えますと非常に重要かと思いましたので、一つの問題提起としてお話しさせていただきました。

【吉田座長】  ありがとうございます。まさに言語力というのも文科省の今、一つの大事な課題になっていますから、それはまさに国語の問題です、母語の問題ですので、今おっしゃったこと通じると思います。ありがとうございます。
 松本委員。

【松本委員】  二つの面があると思っていて、子供たちそのものについては、基本的に私は吉田座長と同じ考えで、たじろがない態度を育成するという面が一つ重要なのかというふうに思うのです。今、中高の英語教育が理解する、分かるから使うに変わろうとしているわけです。ですから、英語を使うという面においてたじろがない態度、発想というのを身に付けるのに小学校の早い段階から始めた方がいいのではないか。少なくともデメリットはないという立場。それで、子供たちに、あるいは小学校の先生方に負担を強いるということがいいことなのかどうかというのは十分に検討しなければいけないというふうに思う。
 あとは、今、多田委員がおっしゃったような状況、あるいは前回の三木谷委員がおっしゃったような、例えば2050年になったら日本の状況はどうなるのかということを考えたときに、その時期に40歳、50歳になる人たちが迎える状況というのは、我々が今想定している状況とは随分違っているということを考えてあげないといけない。そうなると、英語学習の年限を増やしてあげるというのはひょっとしたらいい施策なのではないかということは考えられるのではないか。
 ですから、子供たちについてはそういうふうに考えて、もう一つは、小学校の外国語活動を3年に下ろす、あるいは5、6年を教科化するということによって社会におけるインパクトが、例えば教育産業がいろいろな動きをされるでしょうし、大人の意識も変わるでしょうし、そういう意味で、日本全体として英語に対する考え方、あるいは指導の仕方、あるいは英語の量とか社会的なメディアでどれだけ外国語を使うようになるのかといったようなことに対してのインパクトを持つ。それができれば間接的に子供たちにもよい影響を与えるということを我々はもちろん検討しなければいけないことですけれども、そういうことが期待されるのではないかというふうに思います。

【吉田座長】  ありがとうございました。この議論だけでもずっと行きそうなのですが、もう少し本日進んでおかなければならない点がありますので、とりあえず1回ここでこの議論に関してはちょっと切らしていただいて、次に進みたいと思います。
 続いて、先ほどもちょっと出たのですけれども、小・中・高等学校を通じた英語教育の目標という、それについて文部科学省の方から少し御説明いただきたいと思います。


議事録の原文は、こちら

配布資料は、.こちら

委員名簿は、こちら

週数時間学校で教わったところで、悪影響が出るとはとても思えません。

小学校であれば、むしろ、外人の先生と話ができたり、褒められたりということで、子供たちのモチベーションが上がるという吉田先生の意見に同意します。

本当に第2外国語として身につけさせようとするならば、授業の半分以上を英語でやらないと無理ですね。

ただ、限られた時間であっても、聞き取りや発音に効果がありそうなので、ネイティブに接する機会をもっと増やせると良いと思います。

脳科学に関しては、何を期待されているかはわからないのですが、被験者のリクルートや扱いを含めて簡単にできる研究ではないと思います。

言語学者が、脳機能イメージングの手法を使えば良いだけと思うのですが。(文句を言うなら、自分でやれと(笑))

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Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
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(2009年7月25日開設)


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