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因果関係の誤謬

因果関係の誤謬

さて、大雪で仕事に行けなくなったので、因果関係の話題でも。(笑)

「よく遊ぶ子は賢くなる」調査まとまる

NHK 2月13日 5時30分

いわゆる「難関大学」に合格するなどした経験がある人は、そうでない人に比べて、小学校に入学する前に思い切り遊んだり好きなことに集中したりしていた割合が高いとする調査結果がまとまりました。
調査に当たった専門家は、「遊びのなかでさまざまな力を身につけることがその後の学習意欲を育む」と指摘しています。

この調査は、発達心理学が専門のお茶の水女子大学の内田伸子名誉教授らが20代の社会人の子どもを持つ保護者1000人余りを対象に行いました。
この中で、「小学校入学前の子育てで意識していたこと」について尋ねたところ、偏差値68以上のいわゆる「難関大学」に合格するなどした子どもの保護者の35.8%が「思いっきり遊ばせること」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者では23.1%にとどまっていました。
また、難関大学合格者などの保護者の24.1%が「好きなことに集中して取り組ませること」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者は12.7%となっていました。
さらに、「子どもの遊ばせ方」について、難関大学合格者などの保護者の28.8%が「自発性を大切にした」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者は16%となっていて、小学校入学前の時期に遊びを通じて自発性や集中力を養うことがその後の学力向上につながる傾向を示す結果となっています。
内田名誉教授は、「小学校入学前は五感を使うことで脳が発達する大事な時期で、関心を持ったことをすぐ吸収できる力があります。遊びのなかで楽しみながらさまざまな力を身につけることがその後の学習意欲を育むことにつながる」と話しています。

相関関係を因果関係と取り違える典型例ですね。

このニュースに対して、本山勝寛さんが「「よく遊ぶ子は賢くなる」は本当か」という記事を書かれ、Blogosに掲載されています。

コメントからいくつかご紹介を。

●むのきらん

いいエントリーです。NHKなどにありがちな、論理の飛躍を指摘しています。

自発性と集中力は、学力形成の大事な要素であることは間違いないでしょう。
それが形成される条件は、筆者の指摘するとおり遊びとは限らないでしょうね。

若干ずれますが、なんでも「遊び」(過程そのものが面白いから好きにやっている)ととらえるか、「仕事」(目標達成などにむけてやらなければいけない過程)ととらえるか、という視点もあるように思います。

ただ、実際の「遊び」を考えると、たとえば、かまくらづくりも、かまくらというコンセプトの達成に向けた雪集めの反復労働、というふうに、両方の要素がまざっていますね。てなこと考えると、学力向上の条件は、目標を内発的に動機づけ、過程そのものも面白い遊びとどれだけ転換できるか(内発的動機づけと「遊び化力」)。その一方で、単調で面白くないことを、どれだけ粘り強くできるか(集中力、持続力)。という両面がありそうです。
マーク・トゥエインの小説で、いいつけられた塀の塗装仕事を遊びに転換するエピソードを思い出しました。

いずれにしても、「遊び」はこのような頭が良くなる悪くなるといった手段としての議論だけでなく、「遊び」そのものに本源的価値があるのだ、と思います。



●yahoo user e5cae

私は兄弟が多く、私自身も兄弟も皆、多くの子宝に恵まれ、よって多くの子の成長を身近に見てきました。
「よく遊ぶ子は賢くなる」
確かにそうかも知れません。ただこれは、賢くなるような子の特質として興味・集中力に富み、結果、よく遊ぶ子だった、ということではないでしょうか。
「よく遊ぶ子が賢くなる」ように見えるのは「賢くなる子がよく遊ぶ」からだと考えられます。
賢くなる子は、放っておいても自分で興味を持つものを発見して、よく遊ぶんですよ。
あまり親の力を過信するべきでは無いでしょう。
こういうことがメディアに出ると、それっ!我が子を(無理に)遊ばせなければ、と考える親が出てきてしまいます。
「成功したスポーツ選手、子育てはこうだった!」みたいな企画がよくありますが、これにも同じことが言えます。


Wikiでは、

虚偽の原因の誤謬は次のように表現できる。

・A の発生は B と相関している。
・したがって、A が B の原因である。

この種の論理的誤謬では、2つかそれ以上の要因の間の相関関係を観測しただけで、それらの因果関係について早まった結論に飛びつく。一般に、1つの要因 (A) がもう1つの要因 (B) と相関していることが観測されたとき、それだけをもって A が B の原因だとする。しかし、実際には他に以下のような4つの可能性があるので、このような早とちりは論理的誤謬である。

・B が A の原因かもしれない。
・未知の第3の要因 C があり、実際には A も B も C が原因かもしれない。
・その「関係」は単なる偶然か、事実上偶然といってもいいような複雑で迂遠なものかもしれない。すなわち、2つの事象は同時に発生したが、直接の関係はなく単に同時に起こっただけである。
・B が A の原因であると同時に、A が B の原因である。ポジティブフィードバックシステムの動作はこれに当たる。

言い換えれば、AとBに相関があるという事実だけで、それらの間の因果関係を結論付けることはできない。たとえ相関関係が有意で効果量が大きかったり、分散の大部分が説明されているとしても、因果関係の存在を確定するにはさらなる調査・研究が必要である。


疫学研究における因果関係の判定基準例として、

疫学研究におけるヒルの判定基準

WHO(世界保健機関)や各国の健康リスク評価専門組織が、ある要因Aがある疾患Bの発症に関連するかどうか評価する場合によく用いられる手法がヒル(ブラッドフォード= ヒル;Bradford Hill)の判定基準(クライテリア)1)です。疫学研究で示された関連を因果関係(要因Aが原因で疾患Bが発症する)と推定することの当否を判断するための基準です。
そもそものきっかけは、喫煙と肺がんとの関係を評価した1965年の英国にさかのぼります。その当時、喫煙する人は肺がんになり易いと経験的に医師は感じていましたが、その当否を明らかにするために、ヒルは喫煙が原因で肺がんが発症すると推定してよいか否か判定する基準を提案しました。そしてこの判定基準に照らし合わせて、喫煙は肺がんの原因と推定されると判定されました。現在では、さまざまな疫学研究における関連性の評価に利用されています。

判定基準の各項目について、理解の手助けとして、主に喫煙と肺がんを例にとり解説します。

関連の強固性要因Aにばく露された群の疾患Bの発症率(罹患率)が、非ばく露群に比べてどの程度高いかを判断します。喫煙者の肺がん罹患率は、非喫煙者に比べて何倍高いかを調べますと、一般的には5倍以上高いことが示されています。なお罹患率の指標は、コホート研究では相対危険度、症例対照研究ではオッズ比が用いられます。

関連の時間性要因Aへのばく露があって、その後疾患Bが発生しているかを判断します。疾患発生の因果関係では当然の基準です。すなわち、肺がんになる以前の喫煙行為について調査されていますので、要件を満たします。

関連の一貫性要因Aと疾患Bとの同じ関連が異なった地域、集団、時間でも一貫してえられているかを判断します。喫煙者の肺がん罹患率が非喫煙者に比べて高い現象が、日本だけでなく欧米やアジアでも、男性でも女性でもあるいは家庭人でも労働者でも、1950年代でも2000年代でも観察されています。

生物学的説得性:要因Aが疾患Bを招くという説得性のある形態学的、機能的な説明ができるかを判断します。たばこの煙のなかに、肺がんを招く多数の発がん性物質が含まれていることがわかっています。また、動物実験ではたばこ煙にばく露された動物に呼吸器系のがんが多発すること、細胞実験ではたばこ煙成分を負荷した培養条件で、遺伝毒性や催奇形性が確認されています。

現時点の知識との整合性:発見された要因Aと疾患Bの関連性は現在一般的に認められている疾患史や経過と矛盾しないかを判断します。喫煙と肺がんとの関連性と、この分野に関連する発がん研究、呼吸器学、疾病統計などの知識との間に整合性があります。

量反応関係:関連の強固性を補強するもので、疾患Bの罹患率の大きさが要因Aのばく露量(期間、強さ、量)によって変化するかを判断します。喫煙期間や喫煙本数の増加と肺がんの相対危険度には比例関係が認められています。

類似性:要因Aと疾患Bの関連性に、既に認められている因果関係でよく似たものがあるかを判断します。たばこと肺がんの例ではありませんが、妊娠中にある薬を飲むことが先天奇形の原因であると認められた例があると、そのような例がない場合に比較して、別の似たような薬についても因果関係を推定しやす くなります。

実験的証拠:要因Aと疾患Bの関連について実験でえられた証拠があるかを判断します。人間集団に対して、ばく露によって疾患が発生しやすくなるかを実験することは不可能ですが、少なくとも禁煙すると肺がんの罹患率は徐々に減少します。

本来、ヒルの判断基準は9項目からなっています。ここに挙げた8項目の他に、「関連の特異性」、すなわちひとつの原因はひとつの影響だけをもたらす、というものがあります。このような特異的関連が認められれば因果関係と推定しやすいことは確かですが、現実にはひとつの要因はいくつもの影響をもたらし、このような特異性はほとんどありえません。また関連が特異的でないからといって因果関係でないという理由にはなりえません。事実、喫煙は肺がんの他、他部位のがん、心疾患など多くの疾患の原因であることが認められています。したがって、現在では、「特異性」の項目は重要視されていません。


大雪で、家に閉じ込められている方向けの記事でした。

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Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
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(2009年7月25日開設)


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