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正しい育成方針とは何だろう?
正しい育成方針とは何だろう?
現時点での考えをまとめたものです。
1,長期目標
世界で活躍できる選手の育成
2,前提
競技選手の滑走レベルは、大雑把に以下の4要素の複合的結果。
①素質(適性)
②(質を確保した)練習量
③体力(スピード、俊敏性、持久力、パワー、バランス、コーディネーション、柔軟性など)
④精神力
3,具体的な指導目標
スキー滑走能力向上のために、個々の選手が持つ素質を最大限に引き出すトレーニングを行う。
*選手個人の資質を最大化することが指導目標になるので、必ずしも全員が代表レベルになるわけではない。
4,具体的な指導方針
①長期的な観点での育成
②生物学的発達段階(成熟度)とスキー滑走技術力の両方を考慮したレベルの設定と、そのレベルに応じた指導。
5,発達段階に関して考慮すべき要因
①第二次性徴に伴って起こる「身体発育の加速」が始まる時期は、子供によって異なる。
②身体発育の加速期を過ぎるとスキーの成績に与える身体的な影響は(それ以前に比べて)相対的に小さくなる。
③年齢を基準にした場合、身体発育の加速を迎えた選手と迎えていない選手では、成績に差が付く。
④身体発育の加速期以前では、発育状況は生まれ月に影響される。(年度の中で生まれが早いか遅いか)
⑤身体的な発達は、個人の努力によらない性質のものなので、この差に強く影響されない育成方針をとるべき。
*育成では、本人がその能力を発揮できるように「努力」していることを評価に含める。
6,練習方法に関して考慮すべき要因
①小さいときの成績が大きくなっても維持できるかどうか?
・素質が十分あり、適切な練習が出来れば、維持できる。
・素質が十分で無い場合、その後伸び悩む傾向。
②タイム短縮の主な要因は、「滑走能力」と「ゲートへの対応」
・様々な条件で、安定して、スピード出せる滑走能力。
・ライン取りやターンのタイミングなどは、ゲート練習をしないと身につかない。
③発達段階及びスキー技術を考慮した優先順位
・USSA方式:ジュニア期には、基本的滑走能力を身につけるのが先。ゲート練習は後。
・以前の日本式:レーシングチームはゲート練習に特化する。
・最近の日本式:シーズン開始直後やシーズン終盤、(シーズン中も時々)、フリースキーを取り入れる。
*日本も、少し傾向が変わってきたようです。
・ただし、ゲート練習に特化すれば、即時的な効果は上がることは間違いないので、指導者の考え方次第で、短期的な成果を求める場合も。
*多くは、幅広い滑走能力が無ければ、その効果は長くは続かないことを知った上で、あえてそういう方針をとっていると思われます。
7,5と6に関する弊害
①選手の素質を最大限に発揮することを前提とした選考が出来ない。
*レースの結果のみで評価すると、本当に素質があり、長期計画できちんと育成すれば、トップ選手になれるようなジュニアが途中で脱落する。
*その中には、親の経済的問題や時間的な自由度も含まれる。
②身体的な成熟度に大きく影響されるような成績評価は好ましくない。
・本人の努力や基本技術の習得度を考慮すべき。
③順番の固定効果は不明。
・USSAは、基本技術が先、ゲートは後、としているが、順番の固定化が正しいかどうか必ずしも実証はされていない。
・くさび形でも良いのでは?
④ただし、ゲートに特化した場合の弊害は明らかと思われる。
・雪なし県の子供たちが、週末にレーシングチームでゲート練習ばかりし、多くの大会に参加する選択は、育成の観点からは、たぶん最悪。
8,小さい子は、どこで基本練習をすれば良いのか?
①親が上級者の場合は、共に様々な雪面を楽しく滑ることから始めると良いのでは?
②ジュニアに特化したスクールに入れる。
・これまでは、明らかにSIA系のスクールが優れていました。
*SAJの妙な型にはめる教え方は、論外でした。ただ、ジュニアの場合は、SAJ系でも実態として色々だったと思います。ご自分で確認することが必要と思います。
・こちらの趣旨を理解してくれて、型にはめるのでは無く、どんどん滑らせてくれるようなスクールが良いと思います。
③レーシングチームとスクールの両方を持っているところに相談する。
9,世界で活躍できる選手を育成するために日本がするべきこと。
①方針の明確化
・SAJが方向性を検討しなければ、どこがするのか?
・出てきた選手を選抜する「パッシブ」な役割から、選手を育成する「アクティブ」な役割に変えるべき。
②内容の明確化
・世界で活躍するために必要な要素とキャリアパスの明確化
・どの段階で何をどのぐらいすれば良いのか?
・目先の結果だけを追わずにすむようなシステム
・身体的な成熟度などの要因に強く左右されない評価方法
③制度の設計
・競技部(レーシングチーム)だけで、例えば小学校低学年の基本技能の向上まで担当することは、人員的に無理。
・教育部(スクール)のジュニア向けプログラムを、アルペン、モーグル、クロス、フリースキー、オフピステなどにつながる基本の習得を目的とした内容にした方が良いのでは?
・そのために、競技部と教育部は協力をするべき。
*これもSAJの体制・組織の問題です。
・スポーツ少年団の活動に関して、さらに効率化を図るべき。
*人数が少ないところは合併するなど。
④基本的には、やるべき課題をしっかり認識し、どうすれば上手く解決出来るか知恵を絞り、協力しながら実行することだと思います。
*言われなくても、当たり前のことでした。(笑)
現時点での考えをまとめたものです。
1,長期目標
世界で活躍できる選手の育成
2,前提
競技選手の滑走レベルは、大雑把に以下の4要素の複合的結果。
①素質(適性)
②(質を確保した)練習量
③体力(スピード、俊敏性、持久力、パワー、バランス、コーディネーション、柔軟性など)
④精神力
3,具体的な指導目標
スキー滑走能力向上のために、個々の選手が持つ素質を最大限に引き出すトレーニングを行う。
*選手個人の資質を最大化することが指導目標になるので、必ずしも全員が代表レベルになるわけではない。
4,具体的な指導方針
①長期的な観点での育成
②生物学的発達段階(成熟度)とスキー滑走技術力の両方を考慮したレベルの設定と、そのレベルに応じた指導。
5,発達段階に関して考慮すべき要因
①第二次性徴に伴って起こる「身体発育の加速」が始まる時期は、子供によって異なる。
②身体発育の加速期を過ぎるとスキーの成績に与える身体的な影響は(それ以前に比べて)相対的に小さくなる。
③年齢を基準にした場合、身体発育の加速を迎えた選手と迎えていない選手では、成績に差が付く。
④身体発育の加速期以前では、発育状況は生まれ月に影響される。(年度の中で生まれが早いか遅いか)
⑤身体的な発達は、個人の努力によらない性質のものなので、この差に強く影響されない育成方針をとるべき。
*育成では、本人がその能力を発揮できるように「努力」していることを評価に含める。
6,練習方法に関して考慮すべき要因
①小さいときの成績が大きくなっても維持できるかどうか?
・素質が十分あり、適切な練習が出来れば、維持できる。
・素質が十分で無い場合、その後伸び悩む傾向。
②タイム短縮の主な要因は、「滑走能力」と「ゲートへの対応」
・様々な条件で、安定して、スピード出せる滑走能力。
・ライン取りやターンのタイミングなどは、ゲート練習をしないと身につかない。
③発達段階及びスキー技術を考慮した優先順位
・USSA方式:ジュニア期には、基本的滑走能力を身につけるのが先。ゲート練習は後。
・以前の日本式:レーシングチームはゲート練習に特化する。
・最近の日本式:シーズン開始直後やシーズン終盤、(シーズン中も時々)、フリースキーを取り入れる。
*日本も、少し傾向が変わってきたようです。
・ただし、ゲート練習に特化すれば、即時的な効果は上がることは間違いないので、指導者の考え方次第で、短期的な成果を求める場合も。
*多くは、幅広い滑走能力が無ければ、その効果は長くは続かないことを知った上で、あえてそういう方針をとっていると思われます。
7,5と6に関する弊害
①選手の素質を最大限に発揮することを前提とした選考が出来ない。
*レースの結果のみで評価すると、本当に素質があり、長期計画できちんと育成すれば、トップ選手になれるようなジュニアが途中で脱落する。
*その中には、親の経済的問題や時間的な自由度も含まれる。
②身体的な成熟度に大きく影響されるような成績評価は好ましくない。
・本人の努力や基本技術の習得度を考慮すべき。
③順番の固定効果は不明。
・USSAは、基本技術が先、ゲートは後、としているが、順番の固定化が正しいかどうか必ずしも実証はされていない。
・くさび形でも良いのでは?
④ただし、ゲートに特化した場合の弊害は明らかと思われる。
・雪なし県の子供たちが、週末にレーシングチームでゲート練習ばかりし、多くの大会に参加する選択は、育成の観点からは、たぶん最悪。
8,小さい子は、どこで基本練習をすれば良いのか?
①親が上級者の場合は、共に様々な雪面を楽しく滑ることから始めると良いのでは?
②ジュニアに特化したスクールに入れる。
・これまでは、明らかにSIA系のスクールが優れていました。
*SAJの妙な型にはめる教え方は、論外でした。ただ、ジュニアの場合は、SAJ系でも実態として色々だったと思います。ご自分で確認することが必要と思います。
・こちらの趣旨を理解してくれて、型にはめるのでは無く、どんどん滑らせてくれるようなスクールが良いと思います。
③レーシングチームとスクールの両方を持っているところに相談する。
9,世界で活躍できる選手を育成するために日本がするべきこと。
①方針の明確化
・SAJが方向性を検討しなければ、どこがするのか?
・出てきた選手を選抜する「パッシブ」な役割から、選手を育成する「アクティブ」な役割に変えるべき。
②内容の明確化
・世界で活躍するために必要な要素とキャリアパスの明確化
・どの段階で何をどのぐらいすれば良いのか?
・目先の結果だけを追わずにすむようなシステム
・身体的な成熟度などの要因に強く左右されない評価方法
③制度の設計
・競技部(レーシングチーム)だけで、例えば小学校低学年の基本技能の向上まで担当することは、人員的に無理。
・教育部(スクール)のジュニア向けプログラムを、アルペン、モーグル、クロス、フリースキー、オフピステなどにつながる基本の習得を目的とした内容にした方が良いのでは?
・そのために、競技部と教育部は協力をするべき。
*これもSAJの体制・組織の問題です。
・スポーツ少年団の活動に関して、さらに効率化を図るべき。
*人数が少ないところは合併するなど。
④基本的には、やるべき課題をしっかり認識し、どうすれば上手く解決出来るか知恵を絞り、協力しながら実行することだと思います。
*言われなくても、当たり前のことでした。(笑)
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