ジュニアレーシング板、ブーツ選びの基準
ジュニアレーシング板、ブーツ選びの基準
2年前に、「子供が使ってきたスキー板とブーツ」という記事を書きました。
子供の体格が、標準よりも大きかったことや、その後の2年間の経験なども踏まえ、私が考える「標準的」な学年別リストを作ってみました。
そろそろ次シーズンの用具選びに入る時期かと思いますので、ご参考までに。
(女子、標準体格、レーシング経験あり)
小4:GS145-155cm(身長+10cm程度)、SL137cm(身長-5cm~身長程度)、Flex60
小5:GS150-160cm(身長+10cm程度)、SL144cm(身長-5cm~身長程度)、Flex60-70
小6:GS160-165cm、SL144 or 151cm、Flex70
中1:GS165-170cm、SL151cm、Flex80
中2:GS170-175cm、SL151cm、Flex80-90
中3:GS175-180cm、SL151 or 155cm、Flex80-90
*体格や技術レベルによって、プラス・マイナスの調整をしてください。(レースを始める年は、長くても身長程度の板を使った方がいいと思います。)
*数字は、使用シーズンのものです。(注文時は、予測値になります。)
*中学生に関して、大人用モデルへの切り替えは、あまり早めない方がいいと思います。
ポイントは、「レベルにあった用具」を選択することです。
板に関しては、一般的に「長さ」が増すと共に「ラディウス(R)」が大きくなります。
①「長さ」が増すと、(ポジションが悪くても)スキーはより安定し、かつ直線でスピードが出るようになる。
②「ラディウス(R)」が大きくなると、ターンスピードが落ちる。
今回のレギュレーション変更に関連して、FISは、ラディウスの小さい、カービング特性のより強い板での操作ミスが、ACL断裂等のケガの主要な原因であると考え、ラディウス規制を行ってきました。
新旧板の比較の結果、ヨーロッパカップレベルで、ラディウスの大きい新規格の板は、タイムが2-3秒遅くなると報告されています。
つまり、(技術がちゃんとある)トップ選手レベルでの比較でも、ラディウス拡大は明らかに(タイム的に)不利になるわけです。(ケガ防止に有効かは、現段階では不明です)
一方、体格が年々変化し、しかも技術レベルが様々なジュニアでは、どういう選択をすれば良いのでしょうか?
ジュニア板の特徴として、「長さ」と「ラディウス」と「固さ」が並行的に変化することがあります。
これを前提に、
③「板を踏めるかどうか」の技術レベルを考慮する。
これができないと、長い板(=Rの大きい板)は、オーバースペックになります。
技術がない分、用具の影響を強く受けるわけです。
きちんと板を踏める選手であれば、ラディウス拡大のデメリットが、長さの増加のメリットを打ち消す程、大きくならないと思います。
④旗門セットを考慮する。
チルドレン・レースの区分ができましたので、大会の旗門も間隔の短いチルドレンルールで立てられています。
それ以前のB級大会の時のような、長い板が有利という状況ではなくなっています。
つまり、その選手のレベルに合った板が一番タイムが良くて、それより長くても短くても、タイムは落ちると考えています。
ましてや、ポジションの悪さを板でカバーするという状況では、その先の上達が望めません。
種々の条件を考慮した適正な長さが、上のリストぐらいかな、と考えているということです。
自分に合った板で、良いポジション、良いスキー操作を身につけるのが一番効果的でしょうね。
⑤FISレギュレーションに段階的に合わせる、
というサイズ選びの考え方もあります。
ただ、その選手にあった板選びを優先させるのは当然のことと思います。
⑤は、副次的な目安だと思います。
ブーツに関しては、明確な基準があるわけではありません。
フレックスの数字に対応する実際の硬さも、メーカー間で異なるようです。
主要なメーカーは、ジュニア用ブーツとして、フレックス60,70,80, (90)を用意していますので、これらで小学校高学年から中2ぐらいまでをカバーすれば良いと思います。
ジュニアが、足首を曲げられないような堅いブーツは、ダメです。
以上の考え方は、ジュニア選手に関して、そのレベルにあった板を使うことが、良いタイムや技術の上達につながるという考え方です。
一部で議論されてきた「ジュニアの板を短くして、ブーツを柔らかくすることが世界レベルの選手の育成につながる」かどうかは、正直分かりません。
ただ、全日本選手権の多くの選手の惨状を見るにつけ、日本のトップ選手でも基本技術が身についていないという状況をもたらした、これまでの育成方針がとても正しいとは思えません。
用具選びも、その(たぶん副次的な)原因の一つかもしれないとは思っています。
追記:
用具の変更は、失敗のリスクも多分にあります。
慣れた用具を2年使う(使えるようだったら替えない。あるいは、同じ板・ブーツを買い直す)というのも一つの方法です。
2年前に、「子供が使ってきたスキー板とブーツ」という記事を書きました。
子供の体格が、標準よりも大きかったことや、その後の2年間の経験なども踏まえ、私が考える「標準的」な学年別リストを作ってみました。
そろそろ次シーズンの用具選びに入る時期かと思いますので、ご参考までに。
(女子、標準体格、レーシング経験あり)
小4:GS145-155cm(身長+10cm程度)、SL137cm(身長-5cm~身長程度)、Flex60
小5:GS150-160cm(身長+10cm程度)、SL144cm(身長-5cm~身長程度)、Flex60-70
小6:GS160-165cm、SL144 or 151cm、Flex70
中1:GS165-170cm、SL151cm、Flex80
中2:GS170-175cm、SL151cm、Flex80-90
中3:GS175-180cm、SL151 or 155cm、Flex80-90
*体格や技術レベルによって、プラス・マイナスの調整をしてください。(レースを始める年は、長くても身長程度の板を使った方がいいと思います。)
*数字は、使用シーズンのものです。(注文時は、予測値になります。)
*中学生に関して、大人用モデルへの切り替えは、あまり早めない方がいいと思います。
ポイントは、「レベルにあった用具」を選択することです。
板に関しては、一般的に「長さ」が増すと共に「ラディウス(R)」が大きくなります。
①「長さ」が増すと、(ポジションが悪くても)スキーはより安定し、かつ直線でスピードが出るようになる。
②「ラディウス(R)」が大きくなると、ターンスピードが落ちる。
今回のレギュレーション変更に関連して、FISは、ラディウスの小さい、カービング特性のより強い板での操作ミスが、ACL断裂等のケガの主要な原因であると考え、ラディウス規制を行ってきました。
新旧板の比較の結果、ヨーロッパカップレベルで、ラディウスの大きい新規格の板は、タイムが2-3秒遅くなると報告されています。
つまり、(技術がちゃんとある)トップ選手レベルでの比較でも、ラディウス拡大は明らかに(タイム的に)不利になるわけです。(ケガ防止に有効かは、現段階では不明です)
一方、体格が年々変化し、しかも技術レベルが様々なジュニアでは、どういう選択をすれば良いのでしょうか?
ジュニア板の特徴として、「長さ」と「ラディウス」と「固さ」が並行的に変化することがあります。
これを前提に、
③「板を踏めるかどうか」の技術レベルを考慮する。
これができないと、長い板(=Rの大きい板)は、オーバースペックになります。
技術がない分、用具の影響を強く受けるわけです。
きちんと板を踏める選手であれば、ラディウス拡大のデメリットが、長さの増加のメリットを打ち消す程、大きくならないと思います。
④旗門セットを考慮する。
チルドレン・レースの区分ができましたので、大会の旗門も間隔の短いチルドレンルールで立てられています。
それ以前のB級大会の時のような、長い板が有利という状況ではなくなっています。
つまり、その選手のレベルに合った板が一番タイムが良くて、それより長くても短くても、タイムは落ちると考えています。
ましてや、ポジションの悪さを板でカバーするという状況では、その先の上達が望めません。
種々の条件を考慮した適正な長さが、上のリストぐらいかな、と考えているということです。
自分に合った板で、良いポジション、良いスキー操作を身につけるのが一番効果的でしょうね。
⑤FISレギュレーションに段階的に合わせる、
というサイズ選びの考え方もあります。
ただ、その選手にあった板選びを優先させるのは当然のことと思います。
⑤は、副次的な目安だと思います。
ブーツに関しては、明確な基準があるわけではありません。
フレックスの数字に対応する実際の硬さも、メーカー間で異なるようです。
主要なメーカーは、ジュニア用ブーツとして、フレックス60,70,80, (90)を用意していますので、これらで小学校高学年から中2ぐらいまでをカバーすれば良いと思います。
ジュニアが、足首を曲げられないような堅いブーツは、ダメです。
以上の考え方は、ジュニア選手に関して、そのレベルにあった板を使うことが、良いタイムや技術の上達につながるという考え方です。
一部で議論されてきた「ジュニアの板を短くして、ブーツを柔らかくすることが世界レベルの選手の育成につながる」かどうかは、正直分かりません。
ただ、全日本選手権の多くの選手の惨状を見るにつけ、日本のトップ選手でも基本技術が身についていないという状況をもたらした、これまでの育成方針がとても正しいとは思えません。
用具選びも、その(たぶん副次的な)原因の一つかもしれないとは思っています。
追記:
用具の変更は、失敗のリスクも多分にあります。
慣れた用具を2年使う(使えるようだったら替えない。あるいは、同じ板・ブーツを買い直す)というのも一つの方法です。
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