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「すべてのカラスは黒い」

「すべてのカラスは黒い」

科学的方法の中で、中心となっている方法論が「仮説演繹法」です。

ニセ科学に惑わされないように(笑)、その原理を理解しておくと良いと思います。

1,仮説演繹法

キャプチャ

科学的理論を構成するための方法の一つ。
 いくつかの経験的事実から少数の基本的仮説(公準 postulateともいう)を帰納的に導き出し,その基本的仮説から演繹的に具体的な命題を導き出したうえで,観察や実験によりその具体的命題を検証する。
 その結果,具体的命題が検証されれば最初の基本的仮説の妥当性が高められ,逆に反証されれば基本的仮説は修正もしくは破棄されなければならない。(有斐閣『心理学辞典 CD-ROM版』より)


ある現象を説明できる理論や法則を得るための科学的な研究方法。帰納法によって仮説を立て、演繹法と帰納法を組み合わせて仮説を検証する。例えば、ダーウィンの進化論はこの方法に基づいて提唱された。 手順としては、まず収集したデータをもとに帰納法を用いて、現象をうまく説明できそうな仮説を立てる。この仮説は法則を表す命題や公式の形をとる。次に、仮説を検証するため、演繹法を用いてこの仮説を具体的事例に当てはめ、「仮説が正しければこうなるはずだ」といった結果を予測する。最後に、実験や観察を行い、予測を裏づけるデータが得られれば仮説は正しいとされる。 なお、仮説演繹法では最後の予測を検証するプロセスが帰納法となっている。そのため、検証結果が予測通りであったとしても仮説は確からしいというレベルに留まる。(コトバンク)


2,仮説演繹法の例

「すべてのカラスは黒い」という法則をネタに説明します。この法則を与えられたものとして、個別のものを推論することを、演繹法といいます。演繹法の特徴は、前提が正しければ結論はかならず正しい(妥当な推論である)ということです。

演繹法:
すべてのカラスは黒い
この動物はカラスである
ゆえにこの動物は黒い


一方、個別のものごとから、「すべてのカラスは黒い」という法則を推論することを、帰納法といいます。帰納法の特徴として、たとえば下の例であれば、調べたカラスの羽数を増やすほど、結論は強化されることが挙げられます。

帰納法:
この動物は黒い
この動物はカラスである
ゆえにすべてのカラスは黒い


質問者さんは、仮説演繹法と混同しているのではないでしょうか。大雑把には科学は仮説演繹法にしたがっておこなわれていると考えられています。次の2段階が仮説演繹法です。

(1) 仮説から検証可能な命題を導く(演繹法):
すべてのカラスは黒い(仮説)
この動物はカラスである
この動物は黒い(この命題をデータと照合します)

要するに、こういうことです。「すべてのカラスは黒い」という仮説をたてますが、「すべて」は調べることはできません。しかし、1羽だけ(もしくは何羽でも)カラスを捕まえてくるとすると、それは黒いだろうと予想されます。1羽であれ何羽であれ、有限の羽数なら、実際のデータと照合できます。

(2) データから、仮説が支持されたかどうかを知る(帰納法):
この動物は黒い(実際に確かめたデータ)
この動物はカラスである
ゆえにすべてのカラスは黒い(仮説の支持)

実際の科学は、このように演繹法と帰納法とを組みあわせた仮説演繹法を用いています。仮説演繹法は、結局データ数がモノをいうので、帰納法の仲間に入れられています。演繹法は帰納法のための補助という位置づけです。

また、何かをピンと思いつくための推論は、アブダクションと呼ばれますが、これは帰納法とも演繹法とも異なる推論形式とされています。

アブダクション:
すべてのカラスは黒い
この動物は黒い
ゆえにこの動物はカラスである

この例は何をいっているのかよくわからないかもしれませんが、もっとわかりやすいものだと、「パーン!」という音を聞いて銃声かもしれないと思ってしまうのもアブダクションです。

アブダクション:
すべての銃声は「パーン!」である。
いま聞いた音は「パーン!」である。
ゆえにいま聞いた音は銃声である。

この「ゆえに」は思いつきを表わしています。帰納法とちがい、結論が法則ではないので、結論を強化するためにデータを集めることができないところがポイントです。(知恵袋、哲学、倫理)


上の知恵袋の回答は、見事です。

非常にわかりやすく、かつ的確です。

キャプチャ

①仮説を確かめるためには、X3を発見する必要。

②3匹目の生物と遭遇したときにやはり足が3本であった場合、自分の予測は正しかったと考える。

③さらに、X4,X5・・と観察データを増やすことにより、「仮説の確実性」を高めることができる。

④このような繰り返しのプロセスを経て得られた事実は「確証された事実」として扱うことができる。

⑤確証を得るためには帰納と演繹を用いた実験による「検証」という手順を踏むことになる。

⑥科学研究を行うということは、疑問を解決するための「検証」を繰り返し実践すること。

⑦観察された事実から本来あるべき姿を推測しうるものでなければならない。

科学の基本的性格は帰納と演繹の繰り返し、経験的観察と論理的導出の円環的なラセン運動によって、ありそうと思われる仮説の確からしさを増大させていく営み。」(村上陽一郎)


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プロフィール

ジュニアスキー

Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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