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【リオへの宿題】(中) “国策五輪”の成否は

【リオへの宿題】(中) “国策五輪”の成否は

2012.8.14 22:08 産経新聞

 ロンドン市東部の選手村から歩いて10分。市街地にあるビルに連日、北島康介ら競泳陣の主力が出入りする姿があった。「和食がおいしいので」と顔をほころばせたのは女子背泳ぎ銅メダルの寺川綾。メダル増産に向けて国が開設した「マルチサポートハウス」は、ロンドン五輪対策の目玉の一つだった。

 ここでは和食の提供や入浴施設の整備など、選手の体調管理と最終調整を支援した。開設したのは国の委託を受けた日本スポーツ振興センター(JSC)で、事業費は約5億4000万円。「夜間の対応をしてくれない」「前日までに利用申請が必要」と“お役所”的な仕事を批判する冷静な競技団体もあるが、大半はアウェーにいながらホームの環境を味わえる施設を大歓迎した。

 今大会は「国策五輪の第一歩」とも言われた。国が情報医科学分野で側面支援するマルチサポート事業は、同ハウスの設置事業を含め全体で約27億円。国庫補助に基づく日本オリンピック委員会(JOC)への年間強化費約26億円を初めて上回った。2008年1月には東京・味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)が完成。ロンドンは、スポーツ界がNTCを4年間フル活用して迎える最初の五輪でもあった。

 今夏、日本は13競技で史上最多の38個のメダルを獲得。バドミントンや卓球は初のメダルを手にした。特にバドミントンはNTCの完成により、10面の専用コートを確保。マルチサポート事業を活用した卓球は、中国選手の対策として、高速回転の変化球を放つマシンの製作にこぎつけた。日本選手団の上村春樹団長は「NTCやマルチサポート事業がなかったと思うと、ぞっとする」。

 戦後最多となる11個のメダルを取った競泳も、国策化の波に乗った。10年に高速水着が禁止され、記録短縮のための泳法改良で、同事業の映像分析班が活躍。基幹競技もマイナー競技も、国の支援を抜きに五輪での躍進は語れなくなった。

 同事業でサポートを受けられるのは、メダルの可能性が高い順にAランク8競技とBランク13競技。緩やかではあるが、「選択と集中」による振り分けは始まっている。

 ホスト国の英国はすでに、その流れを先取りしている。選手強化を統括する公的機関「UKスポーツ」は、国庫と宝くじの収益を財源にした強化費総額約3億1000万ポンド(約380億円)を、北京五輪の実績を基に各競技に振り分けてきた。“お家芸”の自転車やボート、陸上など5競技には、09年からの5年間で強化費全体の半分を投じる徹底ぶり。今大会は自転車トラック種目で7個、ボートと陸上で4個ずつの金を獲得し、北京の金19個を上回る29個で世界3位に躍り出た。

 20年五輪の東京招致を目指す日本も、英国流に学ぶべきか。UKスポーツ特別アドバイザーのピーター・キーン氏は「私たちがやってきたことは参考になるかもしれないが、結局は日本全体がどれだけスポーツでの成功を求めているかにかかっている」と社会的議論を深めるよう助言する。

 昨年3月の東日本大震災を受け、ロンドンで日本の選手たちは戦える環境に「感謝」の言葉を唱和した。多額の国費投入の上に成り立つ選手強化を思えば仕方ないが、「スポーツ界の自立」を叫ぶ声もある。しかし、JOCはスポーツ基本法の成立やスポーツ庁設置の要望などで、国への依存度を高めており、史上最多のメダルを得たことで、ますます国頼みへと傾斜していくように映る。副団長を務めた橋本聖子JOC理事は言う。「日本は他の国に比べ、(国が)1人当たりのスポーツにかけるお金はまだ少ない。今後、国の責務としてスポーツ振興をさらに図る必要がある」。スポーツ界を乗せた“国策化”の大きな車輪は回っている。


マイナースポーツは、国の支援が無いと強化は難しいと感じます。

特に、アルペンのように、日本ではマイナーで、ヨーロッパではメジャースポーツのような場合は、なおさらです。

今回のオリンピックの結果は、プラス面で言えば、①積極的にジュニアの発掘・育成に取り組んだ競技、②JISS等の支援により環境整備ができた競技、が底上げできたこと。

マイナス面で言えば、①時代錯誤の指導が行われていた競技、②協会内部にゴタゴタがあった競技、で成績不振が目立ったこと、でしょうか。

お金は、個別競技で見た場合、成績向上に関して大きな要因ではありますが、必ずしもそれだけで結果が決まるわけではありません。

柔道には、多額の資金が投入されていますが、選手選考や強化方針に問題があって結果を出せなかった、と指摘されています。

ただ、方法論を大きく間違えなければ、(強化費や環境整備に当てることで)「全体」のレベルアップにつながるのは間違いないと思います。

結局は、「メジャー大会の「総合成績」は、どれだけ予算をかけたかに強く依存する」という結果が示されたのだと思います。

この状況で、考えるべきことは、

①スポーツに予算を割くことに関する意義と合意形成。(なぜ、税金でスポーツ強化を行う必要があるのか?)

②どのぐらい、予算を割り当てるのか、その限度はどこか?(費用対効果の明確化も)

③経済力のある国(スポーツに資金を投入できる国)が、メダルを多く獲得することが、公平か?

④素質のある子供を、小さいうちに親元から離し、スパルタ育成を行う強化策に対する倫理的、人道的評価

⑤「素質」を見いだすことに関する遺伝情報利用の倫理基準

あたりでしょうか?

最後の項目に関して言えば、血統書を持つ競馬のかけ合わせのような人間の結婚が認められるのか、陸上短距離のように遺伝的な要因が強い競技で、特定の人種、国がメダルをいつも独占することが、フェアなのか?

究極には、生まれてすぐの遺伝検査で、スポーツ選手としての将来が分かるような状況になったときの、スポーツ競技の意義って何だろうと考えてしまいます。

仮に、育成の科学的方法論が確立し、国の予算丸抱えで強化できるとすれば、あとは、親の掛け合わせと、生まれてくる子供の遺伝子配列の問題になってしまいますから。(笑)

効率性のみを追い求めると、生まれたときから国が管理し、本人の意志、努力、創意工夫に関係なく、スポーツサイボーグとして育て上げる強化方針が、一番良いと言うことになりかねません。(ほとんどSFですが)


私的には、やはり不確実性が存在し、本人の努力・精神力が大きな決定要因となるからこそ、スポーツは面白いのだと思います。

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プロフィール

ジュニアスキー

Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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