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インサイド:アスリートの卵たち タレント発掘育成事業/2

インサイド:アスリートの卵たち タレント発掘育成事業/2

毎日新聞 2012年05月02日 東京朝刊

 ◇転向組、狙うは世界

 「エアリアルの名前すら知らなかった」
 11年からスキー・エアリアルの日本代表として、ワールドカップに出場する仙台大大学院の南隆徳(22)は、タレント発掘育成事業(TID)に取り組む北海道美深町出身。トランポリンからの転身だ。
 美深町のTIDは、毎年のように全国大会に出場するトランポリン少年団の一部にエアリアルへの転身を勧めている。南は小学1年からトランポリンを始めた。道北部ではトップクラスで、全国大会にも出場した。しかし、「全日本レベルは遠いし……」とモチベーションは今ひとつだった。高校1年の冬、TIDの担当者に勧められたのが転身のきっかけだ。「空中を回る感覚は分かっていた」とすぐに前方宙返りをマスター。高校3年でジュニア強化指定選手に選ばれ、10年には全日本選手権優勝。「TIDがきっかけを与えてくれた」と感謝する。
 福岡県のTIDでは、競技団体から、求められる資質や能力を聞き出し、適性を判断している。国内の競技人口や日本の世界大会でのランクも踏まえて、世界で活躍可能な競技を示し、面接を重ねて、実施競技を決める。現大学1年の1期生を見ると、種目転向の14人中13人が高校で全国大会に出場。非転向者の全国大会出場は15人中7人で、今のところ種目転向がプラスに働いていると言える。

 もっとも転向時に悩む選手もいる。福岡県の1期生・馬場絢子(東京・日体大1年)は「バスケットが好きだけど、身長が161センチしかない」と悩んでいた中学3年の夏、「フェンシングならば東京に行き、トップ選手と練習できる」と誘われ、「世界」を優先させた。昨夏の全国高校総体団体で馬場の在学した東亜学園高(東京)は日本一に輝いた。
 今春、福岡・小倉商高に進学した酒井美沙紀は、ラグビーでセブンズの中高生代表合宿に2回呼ばれたが、レスリングを選んだ。理由は「五輪で優勝するためには日本が世界で強いレスリングだと思った」。転向時から目標設定は五輪出場ではなく、世界一だ。

 ■選考時に特性見極め

 TID出身者が好成績を残す理由は、選考の際に子供たちの特性をしっかりと見極めているからだ。例えばセーリング歴3年弱でU15全日本選手権4位に入り、昨年末のユース代表候補合宿に参加した山口県の渡辺純菜(福川中2年)。基礎体力はさほど高くなかったが、海に似せて周囲をブルーシートで覆った空間で、方向感覚などの適性を見るテストではトップだった。
 山口県の担当者は「適性の高い子供を選び、運動能力を後で伸ばす方法もある」と話す。同県のプログラムは週4回と全国のTIDで最多の頻度で、渡辺は持久力の数値が倍近くに向上した。

 昨年12月にあった福岡県の選考会。面接で子供たちは「自分に向いた競技を見つけたい」「今やっている競技でなくても大丈夫」と話す者が多かった。事業開始から8年。事務局は「転向が草の根で浸透してきた」という。
【小林悠太】=つづく


猪谷千春さんも「子供の適性(潜在能力)を見つけ、伸ばすのは親の重要な役割」と言っていました。

適性(才能)と環境(適切な練習)の「両方」が必要なことは、高いレベルを目指すのであれば、異論のないところだと思います。

問題は、「アルペンスキーにおける適性とは何か?」と言うことでしょうね。

滑走フォーム(ポジション、荷重など)や体力は、後でも身につけられますし。

個人的には、「スキーを滑らせる能力」ではないかと、考えています。

世界でトップを目指せる子供は、最初から素材が違うとはよく言われることです。

例えば、ナスタージャパンカップの結果を(同じ世代で)過去から追ってみると、上位層は小さい頃からほとんど変わらないことが分かります。

同時に、兄弟に注目した場合、①両方とも成績が良いケース、②成績の良い子とまあまあの子に分かれるケースがあることがわかります。

兄弟であれば、練習環境は似ているだろうと仮定すれば、(概して下の方が有利でしょうが)

①適切な練習環境が与えられれば、(少なくとも小学生では)ある程度の成績を残すことが出来る。

②ただし、最上位に入れるかどうかは、適性が左右する。

という推測が当てはまるのではないでしょうか?

で、その適性というのが「スキーを滑らせる能力」であり、端的に言えば「最初から速い」というものだと考えています。

始めてポールを滑ったときから「この子は速い!」という状況はあると思います。

その子達が、練習を積むことによってますます速くなると。

その中身は、

①ブレーキング要素を排したエッジコントロール(エッジングの質)

②重心移動

③バランス能力

④スピードを怖がらない

辺りではないかと推測しています。(根拠はありませんが)


野球やサッカーなど母集団が大きい場合は、その中で選抜することでピラミッドが作れるのでしょうけど、マイナースポーツでは、なかなかそういう(受け身の)方法では、結果が出せません。

これまでは、コーチ等が個人レベルの努力で、才能のありそうな子供のスカウティングを行ってきたと思います。

ただ、やはり限界がありますから、スポーツ分野の垣根を取り去ることで、組織的に子供たちのフィッティングを行おうとする試みだと思います。

「世界一、オリンピックで金メダル」という目標が、経済的な対価無しに、かつ相当な努力や負担を超えて、スポーツ分野に関係なく魅力的なものである限り、この試みは有効かと思います。

後は、「適性を見いだす」という行為が、本当に機能するかですね。(とりあえずは上手くいっているようですが)

アルペンに関して言えば、日本ではマイナースポーツですが、ヨーロッパではメジャースポーツなので、マイナースポーツ間でのタレントのやり繰りで、世界のトップに立てる才能を発掘できるかどうかわからないところはあります。


もちろん、こういう話題は、教育にふさわしくないのは、良くわかっています。

日本の教育の評価原則は、「努力したものが報われるべき」という倫理的な価値基準ですから。

この原則は学校教育では当然有効(のはず)ですし、社会でも多くの場合当てはまると思われます。

社会では、対人関係(コネ)で上手くやって、利益や有利な情報を得ることもあるかもしれませんが、それは本質ではないと思います。

ただ、スポーツ分野、特にトップアスリートの場合はやはり才能・適性が大きく関係するのは(誰も触れたがらないのですが)現実としてあると思います。

この事業は、実証的な観点から、分野を超えた組織的な(全体としての)人材の活性化・効率化を、競技間の流動性を高めることで達成しようとする画期的な試みだと思いますので、是非成功してもらいたいところです。

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プロフィール

ジュニアスキー

Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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