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サッカーに見るアルペンスキーの弱さの原因

サッカーに見るアルペンスキーの弱さの原因

サッカーは、1993年のJリーグ発足以来、日韓ワールドカップで決勝トーナメントに進出するなど急激にレベルアップしてきました。10年ほど前からは、ヨーロッパで活躍する選手も徐々に現れています。それでも、A代表は欧米、南米に追いつけず、最近はアジア諸国にも追われる苦しい状況が続いています。

育成システムは、従来型の地域ジュニアチームや中学・高校の部活動による育成に加えて、サッカー協会が独自にトレセン制度(ナショナルトレーニングセンター制度)を立ち上げ、「日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を与えること」を目標に活発な活動を行っているようです。

トレセン制度は、「各地域から選抜された選手たちにトレーニング環境を与える強化育成の場であるとともに、指導者のレベルアップの場」とされています。

この結果、トレセンを経験した選手から各年代の日本代表選手が多数選出されるようになってきています。

各Jリーグチームの下にもユースチームが組織され、学校制度の枠にとらわれない継続した選手育成が行われているようです。

このように日本サッカー協会のリーダーシップの下で、スキーと比べはるかに組織的かつ強力な育成が行われているにもかかわらず、世界レベルになかなか追いつけない状況です。

年代別で見ると、ジュニア世代はユース世界大会で優秀な成果を上げていますが、A代表になると大きく離されてしまう状況です。

また、個々の選手の技術レベルは高いが、試合になると勝てない、という指摘がしばしばされます。

何となく、アルペンスキーと状況が似ていませんか?

サッカーが、世界で勝てない理由は様々なところで議論されていますが、今回それらを列挙することで、スキーにおけるジュニア育成の課題のヒントを見つけられればと思います。

1,体格、運動能力

・体格が劣る→相手ディフェンスにつぶされる

・身長が低い

・足が遅い

・同じ体格のメキシコは強い

・運動量が足りない、体力がない

2,練習環境

・トーナメント方式が多い

・芝のグラウンドが少ない→ケガを恐れる→プレーが消極的

・弱い相手を呼び国内で試合している→ガチンコの試合をあまり経験していない

・アジア諸国に比べて恵まれすぎている→悪い状態のピッチでは実力を出せない

・練習環境に左右されすぎる

3,指導方法

・指導が型にはめすぎる→プレーの個性を失う

・監督・指導者の能力不足

・戦術がない、戦術の継続性がない

・外国ではやっている戦術をコピーしているだけ

・戦術がワンパターン、種類が少ない

・精神論を強調しすぎる

4,選手の技術

・シュートが出来ない

・サッカーが下手

・プレーのスピードが遅い

・パススピードが遅い

・キックの精度が低い

・トラップが下手

・キープ力がない

・ボールを持って前を向けない

・止まって行うトラップやキックは上手いが、動きの中で正確に出来ない

・少年時代に派手な技術を追いかけ、基本技術をおろそかにしている

・基礎練習を嫌々行っている→身につかない

・技術は持っているが、判断が悪いため技術を生かせない

5,精神面

・勝つ意識が足りない

・豊かすぎてハングリー精神が欠けている

・失敗すると責任を追及される→思い切りの良いプレーが出来ない

・我・自己主張が足りない

・フィジカルコンタクトを避ける

・追い込まれると上手くできない

・選手同士の意思の疎通が取れていない

6,スポーツを取り巻く環境

・良い人材を野球に取られる

・サッカー文化が浅い

・サポーターが選手に甘い

・クラブ、協会の予算が少ない

・子供にサッカー選手の夢を持たす将来像が描けていない

・コロコロ倒れて反則をもらおうとする

・身近に上手なお手本がない

7,組織

・サッカー協会が予算を活用できていない

・監督の選出方法に問題がある



もう酷い言われようですね。

これだけ注目度が高いスポーツですと、勝てないときの批判も大きいです。

精神面が強くないととてもやって行けません。

興味深かったのは、ユース世代は世界大会で3位以内に入ることもあるのに、A代表になるとアジア予選を勝ち抜くのも簡単ではなくなってしまうということです。

あれだけ裾野が広くて、プレー人口の多い競技でも、世界レベルの選手はほんの数人しか現れないという極めて狭き門です。

私自身は、スキー同様にサッカーも全く素人ですが、国際試合を見ていると、①プレーのスピードが遅い、②キックの精度が低い、③強いキックが出来ない、④トラップが上手くできない、という点を強く感じます。

①と③に関しては、筋力の要素が大きく遺伝的な影響が強いように思いますが、②と④に関しては、基本技術の不足と思われます。

ユース世代は、見かけのテクニックでごまかせるが、A代表になると、基本技術の差が露呈してしまう状況と思われます。

特に、走っているときのトラップ、パスの精度が低いように感じます。さらに、相手と競り合いながら強引に振り切ってプレーを続けることはかなり苦手に見えます。

ジーコ監督の時に、FWのシュートの精度があまりにも低く、代表チームでシュート練習を行わざるを得なかった、という報道がありました。

動きながら正確にボールを扱うという技術をジュニア時代に習得できなかったことが、A代表が世界に追いつけない最大の原因と考えています。

スキーは、サッカーと比べて、遙かに育成環境は恵まれていません。

サッカー協会とスキー連盟では、組織力、資金力は雲泥の差があります。

競技人口にも大きな違いがあります。

効果的なトレセン制度は整備できておらず、ジュニアの育成は、地域・学校のチームや商業チームに丸投げされています。

各レーシングチームは生き残りを賭けて、勝ちに行っています。

勝てないチームはジュニアレーシングチームとして存在していけません。

(体育会・学連ではない)高校・大学のクラブチームやレースが趣味の(あるいはマスターズを目標とする)社会人の練習を請け負い、ポールバーンを提供するためのチームになります(むしろそちらの方が主流かも・・)。

あるいは、スキー修学旅行やスキー教室、フリースキー、基礎スキーに活動を移すしかありません。

ジュニアレーシングチームのコーチは、チームが生き残っていくためにも、子供たちに長い板をはかせて、エッジを立てさせて、ゲート練習を繰り返し、タイムを短縮してとにかく勝ちに行くしかありません。

それで良いとは、コーチは誰も考えていないのではないでしょうか?

(ただし、実はそれさえも簡単なことではありません。結果が出るまでに数年の時間がかかります。その前に多くの子供たちはやめてしまいます。)

基礎技術が足りないのは、現場の努力不足だと指摘することは簡単ですが、そうせざるを得ない状況にもっと目を向けるべきではないでしょうか?

SAJが、ジュニアの育成方法に問題があると考えるのであれば、SAJのリーダーシップの下でサッカーのようなトレセンシステムを整備し、新しい才能を見つけ、自ら育成していく必要があると思います。

同時に、キッズ、チルドレン世代を競争の場とせず、育成の場として機能できる環境を整えていく必要があると思います。

ただし、これまで限られた滑走時間をポール練習に当てていた分を、例えばフリースキーに回すことになることから、世界レベルの選手が出現する確率は多少増えるかもしれませんが、結果として選手全体のアルペン技術レベルは下がると思われます。

いずれにしても世界で戦える選手を育成するのであれば、腹をくくってその方向性を明確に打ち出し、全力で新しいシステムを作っていく姿勢が必要と思います。

SAJは、それができますか?

そこまでの覚悟はありますか?



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プロフィール

ジュニアスキー

Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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