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日本地震学会:「反省」シンポ 地震学者に限界 3割「役に立ってない」

日本地震学会:「反省」シンポ 地震学者に限界 3割「役に立ってない」

 地震学の成果は実際の防災に役立っているか--。静岡市で開かれていた日本地震学会は最終日の15日、地震学の社会的役割を問い直す会員対象のシンポジウムを開いた。議論の材料として会員に実施した調査結果も公表され、回答者の8割以上が「地震学の知見は防災に役立つ」と認識する半面、東日本大震災など実際の場面では「役に立っていない」と考える人が約3割に上った。【八田浩輔】

 調査は研究者や防災実務者ら全会員約2000人に実施し、627人が回答した。

 地震学が防災に役立つかどうかを5段階で聞いたところ、一般論としては約83%が「役立つ」と考えていたが、「実際に役立っているか」との別の質問には約29%が「役立っていない」と答えた。

 役立てる際の障壁は「蓄積データの少なさ」(約53%)といった学術的な課題に加えて「研究者の他分野への関心が希薄」(約68%)▽「研究者の防災意識が希薄」(約56%)など、中心的な役割を果たすべき研究者自身の限界も浮かんだ。

 シンポジウムには立ち見も含め研究者ら約500人が参加。東日本大震災を想定できなかったとの反省から、自己批判が目立った。

 東北沖の地震の研究を続けてきた松沢暢・東北大教授は、マグニチュード(M)9の巨大地震を想定できなかった理由について規模を最大でもM8級と想定してきた主流の学説や観測データによる「思い込みがあった」と振り返った。「過去の地震も過小評価している可能性がある」として古い地震の再評価を求め、「(世界で観測されたことがない)M10も否定せず検討すべきだ」と強調した。

 予知を目指す地震学を支える学説に懐疑的な立場を取る井出哲・東京大准教授は「地震予知」という言葉は社会に過度な期待を与えかねないとして再定義を求めた。巨大地震の直前に起きるとされる前兆現象をとらえる「直前予知」だけでなく、過去の事例に基づいて数十年先までの発生確率を予測する研究も社会では予知と混同されていると指摘、予知という言葉が研究費獲得の手段になっていると批判した。

 地震が原発事故を引き起こす「原発震災」に警鐘を鳴らし続けてきた石橋克彦・神戸大名誉教授は「原発に対して地震学は沈黙してきた。国策か否かにかかわらず、地震がかかわる社会的重要課題には自由な議論が必要だ」と、研究者の社会的責任を訴えた。

 シンポジウムを主催した委員会は今回の議論を踏まえ、学会と社会との関係や地震研究の方向性などを盛り込んだ提言を来年5月をめどにまとめ、公表する方針だ。

毎日新聞 2011年10月16日 東京朝刊


地震学のあり方議論

2011年10月16日 朝日新聞

 静岡市で開かれていた日本地震学会は最終日の15日、同市駿河区の静岡大学で特別シンポジウムを開催。東日本大震災を想定できなかったことを反省し、今後の研究にどう結びつけるかなどを議論した。来年5月までに提言をまとめるという。
 シンポジウムには約500人が参加。地震予知に否定的なロバート・ゲラー東京大学教授は「三つのリセットが必要」とし、(1)地震発生の考え方(2)国の地震、津波防災対策(3)研究者の姿勢、を再検討することを呼び掛けた。
 ゲラー教授は「実用的な地震予知は絶望的」として、予知の可能性を前提にした大規模地震対策特別措置法の撤廃を求めた。
 「東海地震説」を最初に唱えた石橋克彦神戸大学名誉教授は「災害科学としての地震学に大きく欠けているのは、大災害を未然に防ぐ社会を築くための批判精神。地震学が沈黙している限り、社会は真実を知ることができない」と、科学的事実に基づいて国などに発言していく重要性を訴えた。
 一方で、「純粋に地震学を研究すべきだ」「防災は専門家に任せるべきだ」などの意見も出た。
 若手研究者からは、研究以外の作業に追われ、将来への不安を訴える発言も相次ぎ、人材の先細りへの危機感が指摘された。
 阪神大震災から16年が経ち、この間の学会の取り組みを巡る議論もなされた。日本地震学会会長の平原和朗京都大学教授は「あの頃は、地震学が防災に直接役立つという考えはなかった。学会のあり方を、若い人を中心に活発に議論していって欲しい」と話した。
               ◇               ◇
  阪神大震災が発生した1995年以来、16年ぶりに県内で開かれた日本地震学会。多くの研究者にとって、あの時感じた「敗北感」と16年間の研究の意味を自問する大会となった。
 そんな研究者が教訓の一つに挙げたのが、「分からないことを分からないと伝えること」だ。従来の理論にとらわれず、思い込みを排し、自然科学に謙虚に向き合おうとしている。
 東日本大震災を教訓にした東海地震の発表も相次いだ。マグニチュード(M)8・6とされてきた宝永地震(1707年)はM9を超え、明応東海地震(1498年)は、安政東海地震(1854年)の2~3倍の範囲まで津波が到達した可能性が指摘された。
 約2千年前、東海から四国沖で四つが連動した地震が発生した可能性があり、4連動地震が発生すると、県内には5~10分で15メートルの津波が押し寄せる可能性が指摘された。
 学会員でもある岩田孝仁・県危機報道監は特別シンポジウムで、「地震学の成果が県の防災対策に生かされている」と研究成果を評価した。今回、学会で発表された新たな成果をどう受け止めるのか。対策の再検討が求められている。
(大久保泰)

大震災「想定できず反省」 日本地震学会出直し宣言  :日本経済新聞

2011/10/15 11:26

日本の地震学者2000人以上が参加する日本地震学会は15日、東日本大震災後に初めて開いた全国大会(静岡市)で、東北での巨大地震を想定できず反省するとの異例の見解を表明した。会長を務める平原和朗京都大教授は「きょうが始まり」と述べ、出直しを宣言。同学会震災対応責任者の鷺谷威名古屋大教授は「想定外の震災に負い目を感じる。地震学や学者の姿勢に問題がなかったか問い直す」と語った。

 今後、海溝付近の地殻変動の観測や、古い地震・津波の調査研究などを強化し、国民の信頼を取り戻したいとしている。

 全国大会の最終日に当たる同日、「なぜ想定できなかったのか」「国の施策とどう関わるのか」と題するシンポジウムを開催。予知が可能と国民に期待させてきた面は否めず、一方で原子力発電所の安全対策などに地震学会が積極的に関与することを避けてきたとして問題点を検証した。

 東北沖では地震の規模を示すマグニチュード(M)を最大でもM8.2と見積もっていた。M9は多くの地震学者にとって想定外で、地震研究の内容や観測体制などに厳しい目が向けられた。

 東北大の松沢暢教授は「海溝沿いのどこでもM9は起こりえる。M10の可能性も否定せずに検討すべきだ」と語り、地震学者が1970年代に提唱された仮説にとらわれていたと指摘。この理論では、東北地方の下に潜り込む太平洋プレート(岩板)はひずみをためにくいが、実際には、東日本大震災でひずみが一気に解放されて巨大地震や大津波を引き起こした。

 また政府の委員会の部会長を務める東北大の長谷川昭名誉教授は「地震学は災害を軽減・防止するためだが、(どう社会貢献するかは)学問の進展度合いもあって難しい」と話した。

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プロフィール

ジュニアスキー

Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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