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【人・生き方】転機。話そう、話しましょう(33)観光庁長官・溝畑宏さん

【人・生き方】転機。話そう、話しましょう(33)観光庁長官・溝畑宏さん

2011.8.6 08:02 産経新聞

「正しく生きていれば、誰かが見ていてくれる」と話す溝畑宏さん=東京・霞が関の観光庁 (小野淳一撮影)
「正しく生きていれば、誰かが見ていてくれる」と話す溝畑宏さん=東京・霞が関の観光庁 (小野淳一撮影)

■退職金もクラブの運営費に…退路を断った 信念貫けば、好機は訪れる

 官僚を辞めて地方サッカークラブの経営者へ…。昨年、観光庁長官に就任した溝畑宏さん(50)は45歳の時、「将来」と「安定」が約束されたエリート公務員の地位を捨てます。周りのほとんどが反対する中での一大決心。背中を押したのは、父から受け継いだある信念でした。(森本昌彦)

                   ◇

 ◆周囲は大反対

 無謀な挑戦と、周囲には映っただろう。

 平成18年冬。総務省を辞めて、社長業に専念しようというのだから。社長とはいえ、サッカーJリーグ大分トリニータの運営会社という地方企業。国という大組織に比べ、安定という意味では、かなり劣る。経営状態も決していいわけではない。当然のように家族たちは大反対だった。

 大分県とは縁が深い。総務省(当時自治省)からの2度の出向で、計10年以上を過ごしていた。出向のまま社長に就任したのは16年夏。トリニータは15年のシーズンからJ1に昇格していたが、優勝戦線とは無縁で、J2降格を逃れる残留争いの常連だった。

 財政も潤沢ではない。大企業のバックアップはなく、スポンサー獲得のため、朝5時から夜12時まで営業に走り回っていた。それでも支援企業を見つけるのは困難だった。

 「損得勘定があったら、球団経営なんてできない」。スポーツチームの経営が多くのリスクを背負うことは分かっていた。それでも強行したのは、貫いてきた信念があったからだ。

◆日本を元気に

 「権力とか地位、名誉よりも自分自身で正しく生きることが大事やぞ」。京都大学名誉教授で数学者だった父、茂さん(故人)にこう言われながら育った。自治省に就職したのは、父の教えを自分なりに受け止め、「自分が住んでいる日本を元気にすることを自分の軸にしよう。まず地方を元気にしていかなければ」と考えたからだった。

 大分県には最初2年から11年まで9年間も出向し、その思いを実践した。そして、地域活性化のためサッカーに目を付けた。2002(平成14)年W杯日韓大会の試合会場を大分に誘致し、「日本一を目指すんだ」という目標を掲げ、平成18年にゼロから立ち上げたのがトリニータだった。

 その手塩にかけて育てたチームがJ1で苦境にあえいでいる。目標である日本一を目指すため、何かを変える必要性を感じていた。

 そして気づいた。自分には「逃げ道」があるのだと。監督や選手は限られた期間の契約で勝負に挑んでいる。「自分自身に逃げ道があっては、監督、選手は最後までついてこない。スポンサーに腰掛けでやっていると思われると本気で応援してくれない」。退路を断つことで、自身の覚悟を決めようとしていた。

 ただ、本音を明かせば「自分を守りたい自分」との葛藤があったという。迷いを振り切らせたのは、かつて定めた目標だった。

 「自分は何のために生きているのか。日本を元気にし、地方の現場でお役に立つこと。自分が役に立つ仕事を最優先にすべきだと思った」。退職金もすべてクラブの運営費につぎ込み、退路を断った。

 ◆七転び八起きで

 背水の陣に立ったトップの覚悟が伝わったのか、チームは上昇気流に乗り、20年にはついに日本一となる。J1計18チームがトーナメント方式などで戦うヤマザキナビスコカップで初優勝。勝利の美酒に酔いしれたが、翌年一転する。選手の故障が相次ぎ、J2に降格。21年12月に責任を取って社長を辞任した。

 もう公務員ではなかったので、ただの無職だ。そんなときに前原誠司国土交通相(当時)から観光庁長官への要請があった。チームを育てた実績が認められたのだ。「まっすぐ生きていると不思議なもので、神の見えざる手で必ずチャンスや出会いをつくってくれる

 22年1月に観光庁長官に就任。観光立国の実現を目指すため、自らセールスマンとなって日本を売り込む日々が始まった。ところが1年2カ月後、思いもよらぬ壁にぶちあたった。

 3月11日の東日本大震災。観光の前提である安全が崩れ、外国人観光客が激減した。「当日はショックで寝られなかった。でも、この試練を乗り越えたら、日本はもっと成長する」

 損得を考えず、少年時代からの信念に忠実に生きることで逆境に陥ってきたこともあった。逆にそんな生き方が新たな好機を呼び込んだ。長官室には、「七転八起」と書かれた額が飾られている。その言葉を胸に、日本の再起のために走り回っている。

               ◇

 ≪Plus≫

 --観光復興へ、どんな対策をしているのか

 「ひとつは海外向けに、安心・安全のPRです。(米歌手の)レディー・ガガや(アイドルグループの)嵐に世界に向けた情報発信をしてもらいました。日本国民の皆さんに『観光で日本を元気にしていくんだ』というメッセージを出す目的もあります」

 --国内向けには

 「いろいろな観光地に行って、アドバイスをしたり、自ら東北に行って、東北観光を呼びかけたりしています。自分の肌で観光がどうなっているのかを感じたいので、プライベートでも一人の観光客として観光地を回っています」

 --観光を通じて、どう日本復興につなげるのか

 「観光は日本復興の一つの大きな起爆剤になります。今あるものを生かすことで経済活性化、地方活性化、子供の教育にもつながる。もう一度日本が明るく元気な国になるためのお役に立ちたいと思っています」

                   ◇

【プロフィル】溝畑宏

 みぞはた・ひろし 昭和35年、京都府生まれ。60年、東大法学部を卒業し、自治省(現総務省)に入省。平成2年に大分県に出向し、文化振興室長、総務部財政課長、企画部次長などを歴任して2002年サッカーW杯の誘致や大分トリニータの立ち上げ、立命館アジア太平洋大学(別府市)設立に携わる。11年5月に自治省に戻るが、翌年4月に再び大分県に出向。16年8月に大分トリニータを運営する大分フットボールクラブの社長に就任、18年に総務省を退職する。21年12月に社長を辞任し、22年1月から観光庁長官。



私の感覚ですと、まっすぐに生きていれば、それだけで満足してしまい、チャンスや出会いと結びつけようとする発想は出てきません。

この方は、自分の社会的な立場、役割をきちんと認識していることから、こうした「因果応報」的な考え方を取るのでしょうね。

因果応報は、「善い行いが幸福をもたらし、悪い行いが不幸をもたらす」という考え方です。

苦しいときなど「今は忍耐の時だが、信念を曲げずに正しく生きていれば、いつか報われる」と考えたりします。

(もちろん将来本当に報われるかどうかは分かりませんが、そう考えることによって苦難に耐える力が出るのだと思います)

ある程度の社会的な立場を持った人が、その役割を果たそうとするためには、自分の考え方や仕事ぶりをアピールして、認知される必要があります。

そのためには、人脈を作り、コミュニケーション能力を上げることも必要なのでしょう。

最近はやりのフェイスブックなどは、実社会でなかなか知り合えない、各界のリーダーたちとネット上で情報交換が出来る場として広まってきました。

一方で、「清貧」という言葉があります。

こちらは、まっすぐに生きる点では同じですが、その結果、貧乏になっても(のままでも)かまわない、という意味かと思います。

何らかのメリット(あるいはデメリット)に結びつくかどうかを気にしているのが「応報」だとすると、「清貧」では「まっすぐな生き方」と「貧しさ」をセットにしています。

たぶん「そんな正論ばっかり言っていると、この世の中でお金なんか稼げないよ」という、割とステレオタイプな社会通念に対する「貧乏なんて全然問題じゃないよ。それよりも俺は正しいことを貫くんだ」という気概や潔さの表現かもしれません。

(あるいは、本人はそんなことを全然意識していないのに、周りの俗人達がそういう枠にはめようとする言葉なのかもしれません)

私自身も、正しく生きるというのは、いつも気にしていることですが、それが何かに結びつくかどうかは特に気にしません。

正しく生きるという決意とそれを曲げずに貫いているという自己評価は、個人の倫理観・道徳観の問題だと思います。

ただ、最大の問題は「正しい、まっすぐ」の定義が無いことですね。

大体の場合、議論がかみ合いません。

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Author:ジュニアスキー
子供が小1の冬に家族でスキーを始め、すっかりその魅力にはまっております。小4から地元のスポーツ少年団に所属し、競技スキーを始めています。(現在中3)
ジュニアアルペン競技の情報ブログとしてスタートし、最近ではスキー全般、その他に関する話題も扱っています。
上欄のカテゴリから興味のある話題をお選び下さい。
(2009年7月25日開設)


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